米連邦捜査局(FBI)のカシュ・パテル長官は12日、ホワイトハウスでの記者会見で、トランプ大統領がフェンタニル製造に使われる化学前駆体を全面的に禁止する大統領令を発表したと明らかにした。さらに、中共側も関連する7社の化学企業を監督・管理することで合意したと述べた。
パテル長官は、この合意を「歴史的な成果」と評価し、「フェンタニルの製造ルートを実質的に断ち切るものだ」と強調した。
パテル長官によると、この成果はトランプ大統領と中共党首の習近平の直接的な対話、そしてパム・ボンディ司法長官、マルコ・ルビオ国務長官、デービッド・パデュー駐中国米大使らが主導した、複数の政府機関による共同の取り組みの結果だ。
パテル長官は、最近自身が北京を訪問したことを明かした。FBI長官の訪中は約10年ぶりで、この訪問の際、中共側はフェンタニル関連のすべての前駆体化学物質をリスト化して監督し、7社の企業を厳格に管理することを約束したという。
パテル長官は「この時点から、これらの物質は正式に禁止品目として指定された」と述べ、「これによりメキシコなどでのフェンタニル製造を抑止し、数万人の命を救うことにつながる」と語った。
米国では昨年およそ10万人がフェンタニルの過剰摂取によって死亡している。今年、FBIが押収したフェンタニルの量は19キログラムに上り、前年同期比で約3割増加している。
パテル長官は、「1億2700万人の米国人が命を落とすほどの量」に相当すると説明。そのうえで、「供給網を根本から断ち切り、密売組織が化学原料を入手できないようにすることが鍵だ」と述べた。
また、中共公安部は今回の協力において「前例のない協力姿勢」を示し、監督措置を全面的に実施する方針を示したという。パテル長官は「これはトランプ政権の原則『対外的圧力の強化、法執行の徹底、そして米国国民の安全を最優先する姿勢』を体現している」と述べた。
今後については、FBIや司法省、国務省が中共側の取り組みを継続的に監視し、状況に応じて制裁措置や刑事訴追を検討していく方針だ。
パテル長官は記者会見の締めくくりに「私たちは大統領の方針に基づき、米国国民を守るために日々全力を尽くしている」と語った。
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