英BBC記者に中共スパイ疑惑 ハニートラップで米欧政界から機密情報窃取か

2025/11/19 更新: 2025/11/19

英メディアの報道によれば、BBCの現職記者が中国共産党のためにスパイ活動に関与した疑いで、英国当局の調査対象になっているという。報道によると、この記者はBBC入社以前に「ハニートラップ」を用いて、EUや米欧の国際機関の職員に接近し、高度な機密性を持つ軍事情報の入手を試みていたとされる。

この疑惑は英国政界に衝撃を与えており、政府関係者からは、BBCが職員の身辺調査をどの程度実施しているのかについて疑義を呈する声が上がっている。

英紙「デイリー・メール」は情報筋の話として、このBBC記者が中共に関与してスパイ活動を行っていた疑いで、捜査当局の調査を受けていると伝えた。

情報筋によると、この記者はBBCに雇われる前、別のメディアでベルギーの首都ブリュッセルに駐在して記者として活動しており、職務上の立場を利用して中共のために情報源となり得る人物を探していた疑いが持たれている。

標的とされていたのは、軍事関連の機密情報にアクセスできる国際機関の幹部職員で、その手段の一つとして「ハニートラップ」を用いていた。現在は、英国の3つの安全保障機構がこの事件の調査に乗り出しており、記者が中共に漏洩した可能性のある情報の内容について解明を進めている。

英国内のみならず、米英豪、カナダ、ニュージーランドの5か国で構成される機密情報共有枠組み「ファイブ・アイズ」もこの件に注目し、国家安全保障への影響の程度を調査する動きを見せている。

事情に詳しい関係者によると、調査の進展に伴い、疑惑のBBC記者による米英の安全保障機構への浸透が「当初の想定よりはるかに深い可能性がある」ことが明らかになりつつあるとされる。

英国の「影の外相」であるプリティ・パテル氏は、BBCの職員に対する身元確認の方法に強い疑問を示している。

パテル氏は、「中共は英国に対する脅威であり、国家安全保障を損ない、我々や同盟国を守るための安全保障機構を破壊しようとする者は、誰であっても徹底的に調査されるべきだ」と指摘し、この事件について緊急かつ徹底的な調査を要請した。

先月、英情報局保安部(MI5)は、珍しく議員に対し、英国がロシアや中共、イランなどの政権による長期的・戦略的な外交干渉およびスパイ活動の主要な標的となっていると公に警告を発した。

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