中国が台湾への軍事圧力を強めるなか、台湾では国民全体で危機対応を学ぶ動きが広がっている。
台湾政府は、自然災害や中国軍の侵攻時の行動をまとめた「国民安全ガイド」を全戸に配布し、偽情報への対処法も示した。
政府は「台湾が降伏した」といった噂を典型的な偽情報と位置づけ、住民が正しい知識を持つことこそ中国の宣伝工作に対抗する最も有効な方法だとしている。
11月21日には、総統諮問機関、国家安全会議の林飛帆(りんひはん)副秘書長が台北の住宅街を回り、手引き(「台湾全民安全指引」)を自ら配布した。
林氏は「戦争の脅威に直面しても台湾は決して投降しない」との立場を初めて明確に社会全体に宣言したとし、人々に対し、この信念を持つべきであり、敵は偽情報によって社会を混乱させ、国民の信頼を崩壊させる可能性があるということを知ってもらうのが狙いだと述べた。

(NTD新唐人テレビより)
11月7日には、高市首相が国会で、台湾で武力衝突が起きれば「日本の存立に関わる危機(存立危機事態)になり得る」と述べ、集団的自衛権の行使もあり得るとの見解を示した。これを受けて中国は外交的圧力や軍事演習を強め、反発を一段と激化させた。
林氏は、日本が示した姿勢に対し、台湾は全面的に支持する立場であると明言し、中国が続ける軍事演習について「軍事拡張そのものだ」と批判した。
台湾の賴清德(らい・せいとく)総統も20日、SNSに「今日の昼食は寿司と味噌汁です」と投稿し、鹿児島産のブリや北海道産のホタテを使った寿司の写真を掲載した。日本への連帯を示す形で、中国に「地域の安定を乱してはならない」と自制を求めた。

ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。