ガソリン税暫定税率の廃止法成立

2025/11/28 更新: 2025/11/28

ガソリン税の旧暫定税率を廃止する法律が、28日の参院本会議で全会一致により成立した。27日の参院財政金融委員会でも全会一致で可決されており、法案は議員立法として成立に至った。

今回の改正により、ガソリン1リットル当たり25.1円に相当する旧暫定税率が、12月31日をもって廃止される。軽油引取税の暫定税率(約17円)は来年4月1日で終了する。年明け以降のガソリン小売価格は理論上25円程度下がる可能性があり、家計負担の軽減や物流コストへの波及効果が注目されている。

一方で、今回の改正による税収への影響は大きく、国と地方を合わせた減収額は年間で1兆5千億円規模に達するとの試算もある。国会内では代替財源を確保すべきという声もあがっているが、政府は「責任ある積極財政」を目指しており、今後の議論が予想される。

暫定税率は当初、道路整備を中心とするインフラ投資の財源確保を目的として導入されたが、長年にわたり実質的に恒久化しているとの批判が存在した。今回の廃止決定は、税負担の透明性向上や価格政策の見直しを求める世論の後押しもあり、政治的な方向性が大きく動いた形だ。

今後、政府および関係省庁はガソリン価格の推移に加え、税収減の影響を踏まえた財政対応や制度調整を求める声も上がっている。エネルギー政策や道路財源の再構築に向けた議論が今後さらに加速するとみられる。
 

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
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