12日、日本銀行は、12月18日と19日に開催する金融政策決定会合において、政策金利の引き上げに向けた調整に入ったことが分かったと日本経済新聞など日本の大手メディアが報じた。日銀は現行水準から0.25%の引き上げを行い、政策金利を0.75%程度にする見通しだ。この利上げが実現すれば、1995年9月以来、およそ30年ぶりの高水準となる。利上げは今年1月の会合以来のことだ。
日銀が利上げに踏み切る背景には、物価高騰が続くリスクに対応し、緩和的な金融政策を調整する目的がある。
労働市場では人手不足が逼迫しており、これに伴う賃金への上昇圧力が日銀総裁によって指摘されていた。また、利上げ観測が高まる中で、長期金利は一時1.950%に上昇し、18年半ぶりの高水準を記録していた。金融政策決定会合では、9人の政策委員が多数決で政策を決定するが、前回の10月会合ではすでに2人の委員が0.75%程度への利上げを提案していたことも、今回の調整の動きを後押ししている。
日銀は、利上げの最終判断を行う前に、経済情勢に関する重要なデータを確認する方針だ。具体的には、15日に公表される12月の企業短期経済観測調査(短観)に注目が集まっている。この短観を通じて、米国の高関税政策の影響が限定的であるか、そして来年の春闘に向けた企業の賃上げ姿勢などを確認した上で、最終的に判断を下すとしている。
市場はすでに利上げを想定しているものの、物価リスクへの対応として、今回の利上げ以降も追加の金融政策調整の道筋が続く可能性がある。また、利上げが観測される中でも、東京円相場は155円台後半など、円安の状況が続いている。
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