米アリゾナ州フェニックスでこのほど開催された保守派集会「アメリカ・フェスト」は、米保守活動家チャーリー・カーク氏が殺害されて以降、保守系団体「ターニング・ポイントUSA(TPUSA)」が主催する初の大規模イベントとなった。
会場には全米各地から多くの若者が集まり、運動の広がりと結束を印象づけた。
主催団体によると、今年新たにTPUSAに入会した会員の約3分の1は若年層で、中高生も含まれているという。現地を取材した新唐人テレビのスティーブ・ランス記者は、大学生や若手活動家らに会場の雰囲気や運動の変化について話を聞いた。
コロラド州立大学TPUSA支部の副会長カミ・バーンズ氏は、カーク氏の死について「大きな痛みを伴う出来事だった」と語り、「チャーリー氏は本来、次に私たちの大学を訪問する予定だったのだ。しかし、その瞬間は永遠に訪れなかった」と述べた。
バーンズ氏は、「沈黙させようとする試みは失敗し、今では声が以前よりも大きく、力強くなっている」と強調した。若者の間で保守的価値観を公然と語る動きが強まっているとの認識も示した。
「保守派であることにこれまで以上の誇りを感じている。私たちはここに立ち、信念をしっかり守る覚悟を固めている」とも語った。
また、作家・講演者のハンナ・フォークナー氏は、今回の集会について「団結の力を強く感じた」と述べ、信仰や家庭、自由といった共通の価値観を守らなければ、将来の選挙や長期的な国の方向性に深刻な影響が出かねないと警鐘を鳴らした。
フォークナー氏は、「今回のイベントは米国史上最大規模の保守派集会となった。何千、何万という若者たちが集まり、その光景は本当に胸を打ち、生き生きとしている。これから何が起こるのか、とても楽しみ」と話した。
一方、Z世代では保守派支持が拡大しているものの、女性層への浸透は相対的に遅れているとの指摘もある。バーンズ氏は、その背景として「キャリア重視の価値観が長年強調されてきた影響」を挙げ、「職業的成功だけでなく、家庭や信仰といった選択肢も尊重されるべきだという認識が広がり始めている」と語った。
フォークナー氏は、女性への訴求について「政策の実態を直視することが重要だ」とし、女性スポーツや徴兵制度を巡る議論を例に、左派の主張は必ずしも女性の権利を守るものではないとの見方を示した。
さらに、信仰の役割についてバーンズ氏は「保守派運動の中心的要素だ」と述べ、若者の間で宗教的価値観への回帰が進んでいるとの認識を示した。こうした動きが、世代全体の意識変化につながっていると分析している。
バーンズ氏は、「私たちはパーティー文化や聖書に反する文化から離れつつある。統計によると、Z世代の影響でバー業界が苦境に立たされている。というのも、私たちはもはやそうした場所に行きたいとは思わないからだ。私たちは神とイエスへの信仰に情熱を注いでいる」と語った。
「聖書の価値観に立ち返ることは、自分自身を超えた存在に希望を託すことでもあり、同じ信念を持つ仲間がいると気付くきっかけにもなる」
今回の集会は、悲劇を契機としながらも、若年層を中心とした保守派運動の新たな局面を象徴する場となった。
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