高市総理 対中外交の「扉はオープン」強調 国益死守と日米同盟強化で挑む安定構築

2025/12/27 更新: 2025/12/27

令和7年12月25日、高市総理は内外情勢調査会の全国懇談会に出席し、日中関係の現状と今後の外交戦略について語った。総理は、緊迫する国際情勢の中で、日本の国益と国民の安全を最優先に掲げつつ、中国との間で「建設的かつ安定的な関係」を構築する姿勢を改めて強調した。

現在の日中関係をめぐっては、台湾有事に関する国会答弁などの認識の相違に加え、中国側による経済的・軍事的な威圧といった「理不尽」とも言える行動が重なり、緊張状態が続いている。こうした状況に対し、対立の長期化を懸念する声もあるが、総理は一貫して「戦略的互恵関係の包括的推進」を基本方針として掲げている。

総理は、隣国同士である以上、懸念事項や課題が生じるのは避けられないという現実を指摘した。その上で、「課題があるからこそ、首脳間を含めたあらゆるレベルでの意思疎通が重要である」との認識を示している。日本側は対話の窓口を常にオープンにしており、決して扉を閉ざしてはいないというのが総理の一貫した立場だ。

外交の柱:国益の死守と日米同盟の強化

総理の外交戦略の根幹は、対話を継続しながらも、譲れない一線を守り抜くことにある。日本の国益、名誉、そして国民の命を守るという観点から、山積する課題に対して毅然かつ適切に対応していく姿勢を明確にしている。

また、この外交方針を支える柱として、強固な日米連携を重視している。トランプ大統領とは、秋の対面会談や電話会談を通じて、既に緊密な個人的関係を築いている。さらに、外相・国務長官レベルをはじめとする様々なレベルで頻繁に意思疎通が図られており、米国政府からは日米同盟に対する揺るぎないコミットメントが示されている。

今後の展望:トップ外交による打開

今後の焦点は、これらの外交方針をいかに具体的な成果に結びつけるかである。

日中首脳会談への道

 来年11月に中国で開催されるAPEC首脳会議は、中国共産党党首・習近平との直接対話の重要な機会となる可能性がある。現在も継続されている「あらゆるレベルでの意思疎通」を積み重ねることで、事態の打開を目指す構えだ。

早期の訪米調整

高市 総理は、国会日程を見極めつつ、来年の早い時期に訪米してトランプ大統領と直接会談を行うべく調整を進めている。日米の結束を背景に、対中外交においても日本の立場をより強固なものにしていく狙いがある。

年明け以降の外交攻勢が日中関係にどのような変化をもたらすかが今後の大きな焦点である。

高市総理の姿勢は、「不測の事態に備えて安全保障の鍵をしっかり掛けつつも、解決の糸口を探るための玄関のドアは常に開けておく」という、極めて現実的かつ粘り強い外交スタイルと言える。

大紀元エポックタイムズジャパンの速報記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。
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