中国企業の利益率低迷が常態化し、GDP成長率5%の華やかさの裏で経済実相が露呈。アメリカ企業は12%超の利益成長に対し、中国は補助金依存で薄利多売。ウォール・ストリート・ジャーナルやブルームバーグの分析から、自動車・ハイテク分野の米中格差を検証する。
中国共産党(中共)当局はこれまで、GDP成長率や産業規模などを指標に自国の経済力を誇示し、アメリカとの多方面での競争を展開してきた。
しかし、多くの国際研究と専門家の分析は、企業の収益力や実際の経済効率において、中国とアメリカの差が公表データとは大きく異なることを示しており、中国経済の「実質的な価値」をめぐって再び疑問を投げかけている。
中共がGDP成長率「5%維持」を強調も 企業収益は低迷
中国は1月19日に2025年のGDP成長率を発表した。5%の成長率はまさに中共が設定した目標とぴったりだった。中共党首の習近平は昨年末、全国政協の新年茶話会で「経済成長率は約5%に達し、引き続き世界主要経済の上位を維持する」と述べた。
中共税関総署は1月14日、中国の2025年の貿易黒字(モノおよびサービスの輸出入差額)が1兆1900億ドル(約178兆5千億円)に達し、前年(2024年)比で20%増加したと発表した。これは世界史上最高水準である。
一方、アメリカの2025年年間GDP成長率は2.1%(フィッチ・レーティングス予測)にとどまり、貿易赤字は同年10月単月では縮小したものの、前年同期比で10月までの累計赤字は560億ドル(約8兆4千億円)7.7%増に達した。
表面上は中国経済がアメリカを上回っているようにも見える。しかし、企業ベースで見ると両国の実態はまったく異なる。
「GDPや貿易額といったマクロ指標から離れ、企業の利益や所有構造で経済力を測れば、米中間の格差がいかに大きいかが明確になる」と「ウォール・ストリート・ジャーナル」は1月14日付の記事「利益から見る中国経済の実態」で報じている。
同紙は書籍『コマンド・オブ・コマース(商業の支配権)』を引用し、従来軽視されてきた「収益力」という視点の重要性を指摘している。
米中利益成長率の鮮明な差異
金融情報プラットフォーム「Wind」および「Capital IQ」のデータによると、中国A株上場企業の2025年上半期の総利益は約2.6%増、香港上場企業は5%増にとどまった。
優良企業とされる上海深セン300指数構成銘柄でも、ゴールドマン・サックスが1月初旬に発表したレポートによれば、年間平均利益成長率は8%程度と見積もっている。
これに対し、アメリカ企業の利益成長は際立っている。ロイター通信によれば、S&P500構成企業は売上高が7%増にとどまるなか、全体として二桁の利益成長を達成した。
FactSetの最新予測では、2025年のS&P500構成企業の利益は全体で12%増、平均純利益率も12.9%に達し、同社が2008年に追跡を開始して以来の最高値を記録している。
iPhoneを例に取れば、組立は中国で行われるが、その設計・中核技術・最終的な利益配分はアメリカ企業に帰属する。
『商業の支配権』の著者は「利益は経済的影響力を測る最良の指標であり、それは代替の難しさを映し出す」と述べている。
研究によれば、アメリカ企業は世界のハイテク産業の利益の55%を創出する一方、中国企業の比率はわずか6%に過ぎない。
補助金依存の「張り子の龍」経済 虚構の繁栄
では、なぜ中国企業は利益が低くても生き延びられるのか。
YouTubeチャンネル「冷眼財経」の配信者は最近、大紀元の取材に対しこう語った。「中国の多くの企業は輸出還付金や政府補助金に大きく依存しており、市場原理で運営すれば実際にはほとんど利益を出せない。一方、アメリカ企業は自己責任型の市場環境で競争しており、その収益力こそが国家経済力の真の指標である。」
米投資情報サイトInvestmentMarkets.comも最近発表した分析で、米中両国の「イノベーションを利益に転化する効率性」について、制度や経済環境が大きな影響を及ぼしていると伝えた。
アメリカは市場主導のイノベーション体制に、知的財産保護と資本市場支援を組み合わせることで高い効率を実現している。
これに対し、中国は政府主導の産業拡大策によって急速に規模を拡大したものの、市場で安定的な利益を確立する段階には至っていない。
報道によれば、中共は政策的に研究開発を後押ししているが、補助金政策が実際の財務リターンに結びつくとは限らず、国有企業や戦略産業では構造的な効率低下が目立つ。
中国資本市場の専門家・徐真氏は、「ハイテク企業の高収益は、イノベーション力、起業家精神、そして自由な制度環境によって初めて生まれる。これが中国には最も欠けている」と指摘する。
徐氏は中国経済を「張り子の龍――外見は強そうでも中身は空洞」と形容し、「レアアースや『新三様』(EV・リチウム電池・太陽光パネル)といった戦略産業でも、オリジナル技術や中核技術は依然として西側の手中にある」と述べた。
自動車業界の薄利化ジレンマ
中国を代表する産業の一つである自動車業界を例に取ると、2025年、中国の自動車販売台数は2700万台に達し、前年比17%増で日本を初めて上回った。
しかしデータによれば、BYDを筆頭とする主要14社のうち半数が純利益を減らし、6社は赤字に転落した。
対照的に、日本のトヨタ自動車の同期間の純利益は4兆1千億円(約1830億元)に達し、中国自動車業界全体の利益総額を上回る水準である。
専門家らは「競争の過熱(いわゆる『内巻』)によって、中国メーカーは『売上高が増えても利益が増えない』というジレンマに陥っている」と分析する。
香港「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」は昨年12月28日、ドイツ銀行とJPモルガンのレポートを引用し、「過剰生産や補助金縮小により、2026年前後には利益を出せていないEVメーカー約50社が縮小や倒産に追い込まれる可能性がある」と報じた。
自動車業界に限らず、中国企業の「薄利化」はすでに常態となっている。
ブルームバーグ・エコノミクスは昨年9月末の分析記事で、2024年のアメリカ上場企業の平均純利益率が約12%に達した一方、中国企業は4.9%にとどまり、倍以上の差があることを指摘した。
アメリカでは約3割の産業で、中国の同業種より利益率が10ポイント以上高いという。
また研究によれば、通信機器・テクノロジーハードウェア分野ではアメリカ企業の平均利益率が20%を超えるのに対し、中国企業は3%前後にとどまる。
建設業や家庭用品製造業でも、両国の収益格差は顕著である。
国内需要の低迷を受け、中国企業は価格引き下げと輸出拡大で対応しているが、この戦略では全体の利益水準を実質的に向上させることは難しい。
ブルームバーグの分析によれば、2025年7月までの1年間で、「一定規模以上の製造業」のうち29%が赤字で、前年の過去最高水準と同じであった。こうした企業の平均利益率は約5.2%である。
短期的には、中国企業は巨大な生産規模によってかろうじてわずかな利ざやを維持している状況にある。
政治優先が歪める中国経済の本質
中国時事評論家の王赫氏は、中国企業の低収益問題の根本は「政治が経済に優先する」という体質にあると指摘する。
同氏は「西側では市場経済と自由経済の原則が確立され、政府の役割は限定的で、政策決定は経済合理性に基づかなければならない」と述べた。
一方、「中共の多くの政策決定は政治目的を優先し、経済合理性や財政の持続可能性を無視して強行する。その結果、『丸投げ工事』『見せかけの建設』『業績アピール型プロジェクト』が長年蔓延し、国家資産の莫大な浪費を生んだ」と批判した。
王氏はまた、中共の経済介入は西側諸国よりもはるかに強力で、その主な手段として「国有企業への依存」と「国家総動員体制」の二点を挙げた。現在、中国の上場企業の約半数は国有企業で、社会資源の大部分を占有しているため、民間企業や外資は太刀打ちできない状況にあるという。
さらに、計画経済の象徴である「五カ年計画」などを依然として維持し、経済運営を強力に統制している実態もある。
「中共は統計公表の際、GDPや生産額を強調する一方、利益率や実効性などの指標を意図的に軽視している。このため、公式データは国際社会から操作疑惑の目で見られている」と王氏は指摘した。
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