トランプ関税 最高裁による無効化可能性「極めて低い」とベセント米財務長官が言明

2026/01/20 更新: 2026/01/20

ベッセント米財務長官は18日、トランプ政権が緊急権限法に基づいて発動した関税について、米連邦最高裁判所が無効化する可能性は低いとの見解を示した。

長官は米NBCの番組『ミート・ザ・プレス』に出演し、「最高裁が大統領の看板政策と言える経済政策を覆す可能性は極めて低いと考えている」と述べた。「彼らはオバマケア(医療保険制度改革)を覆さなかった。最高裁は混乱を招くことを望んでいないはずだ」

IEEPAの適用を巡る司法の判断

最高裁は現在、トランプ政権が1977年の「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づき、昨年広範な関税を課したことが違法かどうかを審理している。これまでに複数の下級裁判所がこの政策を違法とする判決を下していた。

最高裁がいつ判決を下すかは不透明である。問題の関税は、同法の緊急規定に基づき、事実上すべての国を対象に課されている。これに対し、倉庫型スーパー大手のコストコを含む複数の企業が、この規定の運用を巡ってトランプ政権を提訴している。

ベッセント長官は、政権による緊急規定の使用は正当であると主張し、「欧州は中国製品に席巻されている。欧州では今、緊急事態が起きている。経済的な緊急事態になるだろう」と述べた。

また、ベッセント氏はトランプ大統領がフェンタニルの米国内流入を理由に、中国、メキシコ、カナダに課した一連の関税についても言及した。

「フェンタニルによる死者数がどうなったか見てほしい」と、同氏は2025年を通じてフェンタニル関連の過剰摂取死が減少したことを示す連邦データに触れ、「これが緊急事態でなければ、何が緊急事態なのか分からない」と問いかけた。

さらに、中国当局が希少土類(レアアース)の世界的な輸出制限をちらつかせた際にも、緊急権限法に基づく関税が対抗策として使われた。トランプ氏が関税発動を警告した後、「中国側は交渉のテーブルにつき、我々は全世界を代表して交渉を行った」とベッセント氏は語った。

敗訴の場合の影響と代替案

以前、トランプ氏とベッセント氏の両名は、もし最高裁が政権敗訴の判決を下したとしても、IEEPA以外に関税を課すための他の権限を有していると述べていた。ただし、その場合は手続きがより遅く、煩雑になるという。

大統領は、もし最高裁が関税を無効化すれば、米国の経済および国家安全保障上の災難につながる可能性があると警告している。また、関税によって他国との交渉、特に戦争を終結させるための交渉において優位な立場(レバレッジ)を得られたとも主張している。

トランプ氏は先月、SNSのトゥルース・ソーシャルへの投稿で、「米国の国家安全保障に対する史上最大の脅威は、米最高裁による関税への否定的判断だろう。我々は財務的に無防備な状態に陥る」と記した。

しかしその一方で、ベッセント氏は先週、もし最高裁が政策を却下した場合、米政府は関税に関連する還付金を容易に支払うことができるとの考えを示した。財務省には現在約7,740億ドルの資金があり、十分すぎるほどであると付け加えた。

ベッセント氏はロイター通信とのインタビューで、「還付が必要になれば問題なく対応できるが、もしそうなったとしても――私はそうは思わないが――それは単なる企業の棚ぼた(無駄な利益)に過ぎない」と語った。「米政府を提訴しているコストコが、その(還付された)金を顧客に返すというのか」

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。
関連特集: アメリカ政治