中共が「反腐敗」強調も 規律違反が急増

2026/02/03 更新: 2026/02/03

中国共産党(中共)が「反腐敗の強化」を高らかに宣伝し続ける一方で、最新の紀律検査データは、汚職や規律違反がむしろ拡大している実態を浮き彫りにしている。昨年に中国全土で摘発された「八項規定(8か条の決まり)」への違反件数は29万件を超え、前年から約3割増加しており、いわゆる「反腐敗の成果」に対する外部の疑念が再び強まっている。

1月28日、中央紀律検査委員会・国家監察委員会の公式サイトは、2025年に全国で「八項規定」の精神に違反した案件が29万752件に上ったと発表。これは2024年通年と比べて6万5千件以上の増加で、増加率は29%に達する。

同期間中、処分を受けた人数は37万5604人に上り、このうち26万1788人を党紀・政務処分に科した。

「八項規定」は、習近平総書記が2012年の第18期中共中央政治局会議で打ち出した党内行動規範で、調査研究の改善、会議や文書の簡素化、倹約の徹底などを内容とし、習政権の反腐キャンペーンの出発点と位置付けられてきた。

2025年の摘発状況を階級別に見ると、省・部級幹部が18件、地・庁級が1196件、県・処級が1万6368件だったのに対し、郷・科級およびそれ以下は27万3170件に達し、全体の94%を占めた。

違反項目別では、高級特産品や贈答品・現金の不正授受、規定違反の飲食接待、補助金や福利厚生の不正支給が、享楽主義・奢侈風潮(度を超えた贅沢)に関する問題のうち、それぞれ54.5%、22.3%、12.1%を占めている。

台湾の民間団体「台湾勵志協会(TIA)」の頼栄偉・執行長は、中共高官に長年染み付いた奢侈と腐敗の慣行は、短期的な取り締まりで改まるものではないと指摘する。

頼氏は「『上に政策があれば下に対策あり』という状況は、ますます目立ってきている。上層部の摘発は増えているが、あくまで個別事例で、割合は低い。一方で基盤部分のレベルでは違反が増え続けている。これは、現在の統治制度が従来と異なり、多くの人は行動習慣が変えられていないことを意味する」と述べた。

一方、北京の元弁護士で独立研究者の頼建平氏は、「八項規定」はあくまで表層的な統制手段にすぎず、真の問題は飲食接待の背後にある利益交換だと分析する。

賴氏は「下に行けば行くほど、より露骨で無謀な行為が増えるのは事実だ」と指摘。「一方、上層の大物汚職官僚は、もはや単なる金銭的腐敗ではなく、政治的問題を抱えている。手法はより巧妙で、あからさまな現金授受ではなく、さまざまな形の利益移転として現れるため、表れ方が異なる」と語った。

さらに1月17日、中紀委・国家監委が公表した別の年次報告によると、2025年に紀検監察機関が立件した案件は101万2千件に上った。このうち省・部級以上の幹部は115人で、前年同期比57.5%増と急増し、中共第18回党大会以降で最多となった。

作風や規律、行動規範を主に対象とする八項規定違反の摘発に対し、立件調査は経済腐敗、権力と金銭の癒着、職権乱用といったより深刻な問題を含んでいる。

立案件数が100万件を超えたという事実は、ほぼ毎日、数千人規模の各級官僚が調査対象となっていることを意味し、習近平が中共第20回党大会で宣言した「反腐敗闘争は圧倒的勝利を収め、全面的に固められた」との政治的表現とは強い対照を成している。

また、共産党機関紙『中国紀検監察報』は1月6日、2025年に審査・調査を受けた中央管理幹部が65人に達し、これも過去最多だったと報じた。

頼建平氏は、中共の権力構造には制衡が存在せず、紀検監察は本質的に「自己調査」であるため、制度的根源に踏み込めないと指摘する。

同氏は「このような権力の性質がある以上、腐敗しないことは不可能だ。どれほど反腐敗を叫んでも、権力を利用したレントシーキングは必ず生じる。この政権は一人や二人ではなく、数百万人規模で構成されている。最上層の独裁者から郷・村幹部に至るまで、すべてが権力構造の一部なのだ」と述べた。

頼栄偉氏もまた、中共の反腐調査は透明な法的手続きを欠き、その開始や方向性は最高権力者の判断に左右されるため、政治統制の道具にならざるを得ないと指摘する。近年、失脚した高官を「政治的不忠」を理由に処分する例が多いことも、その表れだという。

八項規定の違反件数の過去最多更新、紀検立案件数の100万件突破、そして中央管理幹部の相次ぐ失脚、中共が更新し続ける「反腐敗の成績表」は、皮肉にも同じ現実を浮かび上がらせている。腐敗は個別の逸脱ではなく、権力構造そのものに深く組み込まれているのが現実である。

新唐人
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