張又俠拘束で北京に緊張広がる 会食でも批判 金の買い占め相次ぐ

2026/02/10 更新: 2026/02/10

中国共産党軍のナンバー2とされる張又俠の失脚が発表された後、国際社会に衝撃が広がったほか、北京でも大きな動揺が広がった。北京市在住の1980年代生まれの男性がこのほど、大紀元に対し一連の出来事について当時の状況を振り返った。

1月24日、中国共産党軍は張又俠と中央軍事委員会合同参謀部参謀長の劉振立の失脚を発表した。当局は当初「汚職」ではなく「軍委主席責任制を重大に踏みにじった」「重大原則問題で誤った立場を取った」「中央軍事委員会の決定を骨抜きにし消極的に執行した」「党と軍への絶対的指導に実質的危害を及ぼした」など6項目の高度に政治化された問題を挙げた。その後、軍報の評論2本で張又俠の問題は汚職にも結び付けられた。

北京在住の1980年代生まれの李偉(仮名)は北京に複数の不動産を所有し、官界や現役軍人を含む幅広い交友関係を持つという。李偉は大紀元に対し、張又俠の失脚後、周囲は衝撃を受け、「今後どうなるのか、どの方向へ進むのか分からない」と語り、社会全体が戸惑っていると述べた。

李偉は幼少期を共に過ごした友人の中に複数の現役軍人がいると説明し、師団級以上の軍幹部は事態を極めて深刻に受け止め、自身に影響が及ぶのではないか、退役後に過去を追及されるのではないかと懸念していると述べた。

李偉はさらに、習近平は法的手続きを経ずに拘束できるとの見方を示し、多くの官僚が汚職に関与しているため、当局が意図すれば証拠を示さずに処分できるとの認識が広がっていると語った。

李偉は、張又俠は実戦経験を持つ軍人であり、その失脚は必ずしも良いことではないとの声があると述べた。また、習近平が指導者である以上、国民生活の向上が求められているとの不満も紹介した。

中国共産党軍の上将の多くが失脚し、下級将校にも影響が及んでいることから、軍の戦闘力低下が指摘されているとの問いに対し、李偉は軍幹部の多くは長年実戦経験がないと述べ、軍の戦闘能力に疑問を呈した。

張又俠事件で不安定化 北京に緊張感

張又俠の失脚後、さまざまな憶測が飛び交い、複数の失脚説が流布した。2月4日、中国共産党は全国人民代表大会常務委員会第20回会議を通常より前倒しで開催した。会議は短期間で終了し、外部では張又俠や劉振立に関連するとの見方も出たが、公式発表は軍系統の技術官僚3人の代表資格取り消しにとどまり、張又俠と劉振立には言及しなかった。

李偉は官界の知人の話として、習近平が張又俠の周辺人物を掌握できていない可能性があるとの見方を紹介し、社会全体が様子見の状態にあると述べた。また、事態は不安定で、出国可能な人は出国を希望していると語った。

李偉は中国国際航空の知人から、オーストラリア直行便の航空券価格が高騰しているにもかかわらず満席が続いていると聞いたと述べ、例年は海外在住中国人が帰国する時期だが逆の動きが見られると指摘した。

李偉は現在の北京の状況について、「人心は動揺している」と述べ、北京市内、とりわけ三環路内や長安街周辺では身分証確認が強化され、武装警察や警察による検問が厳格化していると説明した。

李偉は、中南海や二環路内、東城区と西城区、長安街以北など中央指導部の居住地に近い地域では特に警備が強化されていると述べ、地下鉄での身分証確認よりも厳しい状況だと語った。

李偉は、北京市民の間では検問に対する不満も聞かれ、「不満が非常に大きい」と繰り返した。

車内や会食で不満噴出 金の買い占めも

李偉は現在、車内や会食の場で経済政策や軍運営に対する不満が話題になっていると述べ「一帯一路」や雄安新区の現状を問題視する声があると語った。

李偉は、雄安新区について国有企業や中央企業の移転が進まなかった経緯に触れ、現在は移転を強制されているとの見方を示した。

李偉は、指導部の政策運営に対する強い批判が広がっていると述べ、国民生活への影響が大きいと語った。

李偉は北京の菜市口百貨市場で金製品の購入が急増していると説明し、混乱時には金を保有するとの意識が広がり、金塊を自宅に保管する動きが見られると述べた。また、古美術市場は低迷していると語った。

市民の不満と体制への認識

李偉は、北京の市民の多くが国家と党の問題を認識していると述べ、今回の事件がなくても認識は変わらないと語った。一方で、発言は控えられていると説明した。

李偉は、愛国教育や党への忠誠を求める宣伝が強化されていると指摘し、国家と党を同一視する姿勢に疑問を呈した。

李偉は、国有企業では消極的な勤務態度が広がっていると述べ、必要以上に関与しない姿勢が見られると語った。

関連特集: 中国政治