令和8年(2026年)2月11日、ロンドンで開催された第15回日本証券サミットにおいて、片山さつき財務大臣兼金融担当大臣がビデオメッセージによる挨拶を行った。世界有数の金融街であるロンドンのマンションハウスに集った市場関係者に対し、片山大臣は日本経済の好転と金融市場の構造変化を訴え、日本への投資を呼びかけた。

「なぜ日本か」への回答
片山大臣は冒頭、投資家へのメッセージとして「なぜ日本か」という問いを投げかけ、その答えは日本の経済指標における良い兆候にあるとした。名目GDPは4兆ドル(600兆円)を突破し、設備投資は過去最高を更新、賃金上昇率も2年連続で5%を超える水準を実現した。また、日経平均株価はアベノミクス始動時の2012年末と比較して約5倍に達しており、日本経済は長年の「デフレ・コストカット型」から、投資と生産性向上を伴う「成長型経済」へと移行しつつあるとの認識を示した。
NISAの普及とガバナンス改革
政府が掲げる「資産運用立国」の実現に向けた成果についても具体的な言及があった。2024年1月のNISA(少額投資非課税制度)拡充以降、口座数は約2700万口座まで増加し、18歳以上の国民の4人に1人が口座を保有するに至った。若年層を含む幅広い世代への普及が進み、家計のリスク性資産比率は過去最高を記録している。 企業部門においては、コーポレートガバナンス改革が進展しており、プライム上場企業の9割以上が資本コストや株価を意識した経営計画を開示するなど、企業の意識変革が着実に進んでいるとした。
2026年夏に向けた新戦略とデジタル革新
片山大臣は、日本経済の潜在力をさらに解き放つため、2026年夏までに新たな金融戦略を策定し、官民連携で取り組む方針を明らかにした。主な柱として、企業の「稼ぐ力」を向上させるさらなるガバナンス改革、スタートアップ等の成長資金供給の拡大、アセットオーナーの機能向上が挙げられた。 また、デジタルイノベーションへの対応として、円建てステーブルコインやブロックチェーン技術を活用した決済サービスの高度化にも注力し、技術支援や環境整備を進めていく姿勢を示した。
片山大臣は、これらの施策を通じて日本企業の価値向上を図り、世界の投資家からの信頼を獲得することで、グローバルな資本が流入する好循環を生み出したいと強調し、挨拶を締めくくった。
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