静まり返った中国のバレンタインデー。今年も花屋の店頭には赤いバラが並ぶが、客の姿はまばらである。
人々、もう余裕はないのだろうか。
上海市民が祝い事の花を買う定番の市場の一つが「虹橋花市」である。中国メディアによると、今年はバレンタイン向けの注文が伸び悩んだという。
「去年はこの時期、何十件も予約が入った。今年は十数件ほどです」。同じ市場で店を営む沈さんはそう語り、肩を落とした。すでに帰省した人も多く、花束を贈る雰囲気そのものが薄れているという。
一方、30年以上花店を続ける別の店主・王さんも「今年は日程がよくない」と話す。バレンタイン商戦には期待せず、旧正月向けの胡蝶蘭に力を入れた。店内のバラは控えめである。
価格にも変化が見られた。以前は一本25元(約500円)まで跳ね上がった赤いバラが、今年は6元(約100円)前後で落ち着いたままだ。値上がりすら起きない。「景気が良くないからだろう」と店主はみる。
赤いバラが動かない。
花屋の静けさは、消費の冷え込みだけでなく、人々の心の余裕のなさをも映しているようである。
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