イラン攻撃受け茂木外相が談話 核開発「決して許されない」

2026/03/01 更新: 2026/03/01

米国とイスラエルが28日、イランに対する軍事攻撃を実施したことを受け、日本政府は警戒態勢を強化した。3月1日に発表された外務大臣談話は、イランの核兵器開発に強い懸念を示した。事態の早期沈静化に向け外交努力を尽くす姿勢を強調した。

今回の攻撃は、イランの核開発問題や中東地域の安全保障環境を巡る緊張が高まる中で実施された。イランの核活動を巡っては、国際社会が核不拡散体制の維持を重視する中、日本政府はこれまで問題解決に向けた米・イラン間の協議を強く支持し、イランに対して核兵器開発や地域を不安定化させる行動の停止を求めてきた経緯がある

外相談話「核兵器開発は決して許されない」

3月1日に公表された外務大臣談話は、「イランによる核兵器開発は決して許されない」と明言し、核不拡散体制の維持が国際社会の大原則であるとの立場を示した。日本政府はこれまでも、自由や民主主義、法の支配といった基本的価値を尊重する立場から、米・イラン間の協議を支持し、イランに対して核兵器開発および地域を不安定化させる行動の停止を求めてきた。

一方、米国とイスラエルによる今回の軍事行動について、日本として支持するか否かに関しては、談話では踏み込まなかった。木原稔官房長官は臨時会見で賛否の評価を控え、国際社会と連携しつつ「あらゆる外交努力を行っていく」と述べ、緊張緩和と事態の早期沈静化を目指す考えを示した。

政府は国家安全保障会議を開催、邦人保護を最優先

政府は28日、首相官邸に情報連絡室を設置し、同日深夜には高市早苗首相らが出席して国家安全保障会議(NSC)を開催した。高市首相は「あらゆるリスクに備え、万全の対応を行なう」と表明し、関係省庁に対し情報収集の徹底と邦人の安全確保を指示した。

外務省はイラン全土に退避勧告を出しており、滞在中の日本人に対しては、民間航空機が運航している間に速やかに国外へ退避するよう強く呼びかけている。保護対象はイランにとどまらず、イスラエル、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)など周辺国にも及ぶ。現時点で日本人の被害情報は確認されていない。

小泉進次郎防衛相は自衛隊に対し、中東地域の情報収集や邦人の安全確保、日本周辺の警戒監視活動などに万全を期すよう指示した。政府は海路・空路の状況把握や関係事業者への情報提供も進めている。

エネルギー安保への影響を注視

中東地域の安定は、日本のエネルギー安全保障に直結する。情勢の悪化は原油価格や供給網に影響を及ぼしかねない。

木原官房長官は、現時点で日本の石油需給に直ちに影響が生じるとの報告はないと説明した上で、原油の需給や価格は様々な要因を踏まえて最終的には市場で決まるとの認識を示し、状況を注視しながら安定供給の確保に万全を期す考えを示した。

高市首相は、今後想定される経済的影響の洗い出しも指示している。日本政府は、核不拡散体制の維持という国際的原則を堅持しつつ、地域の緊張激化がエネルギー供給網や国内経済に及ぼす影響を最小限に抑えるため、慎重かつ多角的な対応を続ける構えである。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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