中国で最近開かれた全国人民代表大会などの重要会議で、政府は「雇用情勢は全体として安定している」と説明した。だが、本紙記者による各地での取材からは、多くの人が仕事を見つけられず生活に困っている実態が浮き彫りとなり、公式発表との間にずれが生じていることが明らかになった。
こうした状況について、政府が使う「柔軟な働き方」という言葉は、実態を覆い隠す表現ではないかとの指摘も出ている。
安徽省の電気工事の男性は、長年働いてきたが今年は仕事がなく、収入も減った。以前より賃金が下がったうえ、数十万円分の未払いも残っている。「働いてもお金がもらえるか分からない」と不安を口にする。
若者の状況も厳しい。浙江省で日雇い仕事を続ける女性は「安定した仕事は見つからず、時給18元(約400円)ほどの仕事も奪い合い」と語る。広州や上海の臨時労働市場では、早朝から人が集まっても仕事にありつけない状況が続いている。
広東省・深圳に来た23歳の男性は、所持金が20元(約400円)まで減り、「明日仕事がなければ路上で寝るしかない」と話した。職業紹介業者に費用を取られたうえ、仕事を紹介されないケースもあるという。
こうした状況の中、日雇いや単発の仕事に頼らざるを得ない人が増えている。中国ではこれらを「柔軟な働き方」と呼んでいるが、実際には安定した雇用に就けない人の受け皿になっているとの指摘もある。
研究者の試算では、このような不安定な働き方をする人は2億人以上にのぼる。これは全体の中でも大きな割合を占めている。
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