シリコンバレーの巨大企業が連携 中国共産党によるAIの「技術略奪」を厳重警戒

2026/04/08 更新: 2026/04/08

米国の人工知能(AI)技術の盗用が深刻化する中、米AI大手のOpenAI、Google、Anthropicの3社は、マイクロソフトと異例の連携を組み「フロンティアモデル・フォーラム」を通じて情報を共有し、中国共産党系企業による「対抗的蒸留」技術攻撃の検知と阻止を図っている。

AI分野の専門家は、「蒸留(Distillation)」について、強力で成熟した「教師モデル」を用いて、より小規模で未成熟な「生徒モデル」を訓練する通常の技術であると説明している。つまり高性能なAIを手本にして、より小さくシンプルなAIを育てるための技術だ。

一方、関係機関は、敵対的な政権が無断でこの技術を用い、米国が巨額の資金を投じて開発した独自モデルの成果を複製する場合、それは「技術の略奪」に転じると指摘している。

また、関係機関は、この問題について、米企業に年間数十億ドル規模の損失をもたらすだけでなく、安全対策を欠いた模倣モデルが致死性病原体の生成に悪用される可能性があり、国家安全保障上の重大なリスクとなると警告している。

OpenAIは米議会に提出した覚書の中で、中国共産党系AIスタートアップのDeepSeekについて、「米国のモデルから精密な手法でデータを抽出し、自社のモデル群の開発に利用している」と指摘した。

Anthropicもまた、中国共産党系のAI研究機関について、Moonshot(「月之暗面」)やMiniMaxを含む3つの研究機関が、同社のClaudeモデルの主要機能を違法に「蒸留」した疑いがあると指摘している。

関係筋によれば、こうした企業横断の協力体制はサイバーセキュリティ業界の慣行を踏襲したもので、中国共産党系企業の手法に関するデータを共有することで防御能力の強化を図るものである。トランプ政権はこの動きを支持しており、「米国AI行動計画」において専門の情報共有センターの設立を呼びかけている。

しかし、事情に詳しい関係者は、反トラスト法への抵触を懸念し、各社間の情報共有は依然として慎重に進められていると明らかにした。業界関係者は、米企業が連携して国境を越えたAI技術の不正取得に対抗できるよう、米政府に対し、より明確な指針の提示を求めている。

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