中国 安さ競争の末に質が低下 客離れと閉店が加速

中国海鮮食べ放題チェーン「星倫多」 半年で店舗半減 客離れ進む

2026/04/15 更新: 2026/04/15

中国で一時人気を集めた海鮮食べ放題チェーン「星倫多」で、店舗閉鎖が相次いでいる。ピーク時には120店舗以上あったが、現在は約60店舗に減少し、わずか半年でほぼ半減した。

星倫多はもともと、業界の中でも「手頃な価格で品数が多い店」として評価されていた。最盛期には中国の約40都市に出店し、刺身や海鮮料理、焼き物、小型の鍋料理といった複数ジャンルを一度に楽しめる形式で人気を集めた。さまざまな客層の好みに対応できることから、店の前に行列ができることも多く、「安くて満足できる食べ放題」の代表的存在とされていた。

しかし現在、その強みだった「安さと品数」が経営を圧迫する要因となっている。

背景にあるのは、激しい値下げ競争だ。新規参入の店舗がより安い価格を打ち出し、星倫多も値下げを余儀なくされた。かつては1人あたり120元(約2500円)だった料金は、70元(約1500円)前後まで下がっている。

その影響で、提供される料理の質や内容にも変化が出てきた。以前はエビやカニ、サーモンなどの人気食材が並んでいたが、現在は高価な食材が減り、安価なメニューに置き換えられている。料理の補充が遅れるなど、サービス低下を指摘する声も出ている。

こうした変化により、常連客が離れ、売り上げはさらに悪化した。加えて、家賃や管理費の負担も重く、資金繰りが行き詰まる店舗が増えている。実際に、家賃滞納などを理由に商業施設から退去させられるケースも報じられている。

すでに昨年末の時点で、各地の店舗で家賃や管理費の滞納が相次ぎ、商業施設から退去させられる動きが広がっていた。SNS上では、従業員が未払い賃金の支払いを求める投稿も増えており、経営の行き詰まりが現場レベルでも表面化している。

中国の飲食業専門メディア「餐飲老闆內參」は、今回の動きを業界全体の問題として捉える。価格競争の中で食材の質が下がり、それが客離れを招くという悪循環が起きていると指摘する。また、「量」で勝負するビジネスは、最終的に「質」の問題から逃れられないとも分析している。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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