中国人留学生が海外で反共宣言を読み上げ 習近平退陣を要求

2026/04/22 更新: 2026/04/22

浙江省臨海市出身の中国人留学生が3月22日、在英中国大使館前に立ち、公開で「反共宣言」を読み上げた。

「ついに言いたかったことを言えた。内容は完璧ではないかもしれないが、一言一言に意義がある」と語った。

唐埸淇と名乗るこの留学生は、Xプラットフォーム上に自身の中国の身分証とパスポートを公開。中共の五星紅旗と、かつて共青団(中国共産主義青年団)に入団した際の「入団志願書」を燃やす動画を投稿し、800字余りの「反共宣言」を読み上げる動画も公開した。

反共声明を発表したことで、国内にいる彼の両親はすぐに当局による事情聴取を受け、当局は両親を通じて唐埸淇に圧力をかけ、発信を止めるよう求めた。しかし唐埸淇氏は「一度立ち上がった以上、二度と沈黙しない」と断固として表明した。

大紀元の記者が本人を直接取材した。以下はその報道である。

中共の教育が政治思想の強制学習を課し、幼少期から権威主義への沈黙を植え付ける

2001年生まれの唐埸淇氏は大紀元に対し、幼い頃から自然や数学・物理学に興味を持ち、物理学者になることを夢見ていたと語った。政治に関わるとは思っていなかったという。

しかし中共は義務教育・高校・大学に思想政治課程の強制履修という洗脳体系を組み込んでいる。唐埸淇氏は、政治の授業が幼い頃から権威主義への沈黙を植え付け、徐々に羊のように馴らしていくと述べた。成長するにつれ、こうした状況にただ麻痺し、共産党への無関心が強まっていったが、当時はVPNを使っておらず、中国共産党(中共)の実態を知る術はなかったという。

中国国内の「小粉紅(愛国的ネットユーザー)」が民族主義を煽り、若者の愛国心に働きかけることについて、唐埸淇氏は、かつて自分もその影響を受けたことを否定しなかった。

また高校時代に内向的な性格だったことが原因で、大学進学後に精神的な問題が生じた。2021年初め、上海の精神保健センターで診断を受けた後、休学して自宅に戻ることを選択した。

当時は新型コロナウイルス感染症の大流行期であり、中共政権の各種封鎖政策が激しい民衆の不満を引き起こしていることに強い疑問を感じた。また、共産党が中国社会において政治的に機能する論理にも大きな不満を抱くようになった。

中共当局に対して心の底から反発を感じていた一方、両親は将来的に公務員試験を受けるか電力局に就職するよう望んでおり、当時の唐埸淇氏はそれに強く反発し、鬱々としていたという。

「ロシア・ウクライナ戦争」をVPNで見て、中共の実態を知る

唐埸淇氏は、大学時代に学習資料を探す目的でVPNを使い始めたと語った。休学後も留学情報を調べるため頻繁にVPNを使用していたが、当時は意識的に政治的な情報を探していたわけではなかった。

偶然、政治的なコンテンツや共産党を批判する動画が表示されることがあったが、当時はクリックせずに無視していた。

ところが、「ロシア・ウクライナ戦争」が始まってから、VPNで見た多くの評論がロシアのウクライナ侵攻を侵略と断じていることに気づいた。しかし中共が国内に向けて発信する言説は、親ロシアの立場から紛争を捉えるものだった。これらの動画の発信者の多くが、共産党の姿勢を誤りと断定していた。

2024年末、唐埸淇氏は好奇心から習近平に関連する「パナマ文書」(中共幹部の親族がオフショア企業を通じて資産を隠していたとされる問題)についての動画報道を閲覧し、ネット上で検証を行った結果、共産党の各種反腐敗活動や「人民に奉仕する」という姿勢がすべて虚偽であることに初めて気づいた。

2025年初め、共産党についてより真実に近い認識を持つようになった唐埸淇氏は、「反共でなければ、中国という土地において自由は絶対に存在しない」と悟った。

この時期、自宅近くで警察と暴力団の交渉が決裂した銃撃事件が発生した。唐埸淇氏がSNS上でこの事件に関する考察と提言を投稿すると、すぐに投稿が制限・削除され、共産党による言論統制と言論の自由への弾圧を身をもって体験した。

そのため、中国を離れる1か月前にXへと移行し、WeChatへの投稿をやめた。

唐埸淇はまた、共青団から脱退することを決意したのもこの頃だと語った。中国共産党と一切の関わりを持ちたくなかったからだという。さらに近年、母親が繰り返し不当な扱いを受けてきたことが、共産党の暗黒面をさらに裏付けるものとなった。2025年秋、唐埸淇氏は意を決して英国へと渡り、留学生活を始めた。

「一度立ち上がった以上、二度と沈黙しない」

唐埸淇氏はVPNを通じて自由世界について多くを知り、法輪功の「三退(三つの組織からの脱退)」サイトの存在や、大紀元が臓器狩りについて報道していることも知った。しかし当時はそれほど詳しくなかった。英国に来てからは、オフラインの抗議活動で法輪功関係者と接触する機会が増え、法輪功が実際に受けている迫害の真相を含む様々な事実をさらに深く知るようになった。

共産党への理解が深まるにつれ、SNS上での発言も激しさを増し、中共が唐埸淇氏に目を付けることとなった。まず居住区委員会が母親に連絡を取り、その後、派出所への出頭を要求した。さらに警察が電話をかけ繰り返し圧力をかけ、唐埸淇氏の母親を通じて本人に口を閉じさせ、投稿を削除させ、活動への参加をやめさせ、いわゆる「境外勢力(海外勢力)」との接触を断たせようとした。

そうした中、唐埸淇氏は、以前に国内で母親のために申し立てた案件、すなわちさまざまな陳情や働きかけが一切進展していないことに気づいた。ところが地元の派出所は母親に対し「過去の案件を解決し前進させてほしいなら、唐埸淇にネット上の投稿を削除させろ」と告げていたことが判明した。

唐埸淇氏は次のように述べた。

「つまり私に口を閉じさせ、こうした活動に参加させないようにするための脅しだ。そうしてはじめて、警察が母親の冤罪を処理してやる、ということだ。これが中共のきわめて卑劣な一面だ」

「私は生涯にわたり断固として反共を貫き、恐怖からの自由を追い求める。一度立ち上がると決めた以上、二度と沈黙しない」

若者に立ち上がりを呼びかけ、共産党と同調しないよう訴える

25歳の若者が、在英中国大使館前に立ち、習近平は中国を代表しない、習が代表するのは中国人民への抑圧だと声を上げる勇気を持った。「習包子(習近平の蔑称)は退陣せよ」とも叫んだ。

これについて唐埸淇は、学生という立場で反共のために立ち上がり、自身の身元を公開してSNS上で反共のために一役を担うことは、自身の内なる信念、あるいは中国という土地に生まれた者としての義務に適うものだと述べた。

「『反共宣言』の発表や真実の拡散が何人の人に影響を与えられるかにかかわらず、反共のために少しでも力を尽くせるなら、それは価値があることだと思う」と語った。

取材の最後に唐埸淇氏は、中国大陸の良心ある若い学生たちへ向けてこう呼びかけた。

「今の状況がどうであれ、私は公開して反共のために立ち上がることを選んだ。あなたたちが同じことをする気があるかどうかにかかわらず、あるいは心の中で共産党に少し反発を感じているだけであっても、共産党と同調してほしくない。人としての原則と一線を守り続けてほしい」

大紀元
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