無関係の市民を手当たり次第に巻き込み、襲撃する。社会への報復を狙ったとみられるこうした凶悪事件は、近年、中国各地で相次いでおり、その頻度と激しさは増す一方となっている。
一部の事件は、検閲をかいくぐるか、削除される前にSNSに投稿された映像が保存され、海外のSNSに再投稿されることで外部にも知られている。しかし、そうして表に出るのは氷山の一角にすぎないことが、本紙に寄せられた当局関係者の証言で改めて裏付けられた。
体制内部の関係者・衛方氏が本紙の取材に対し明かしたところによると、中国では刃物による傷害事件が毎日数百件発生し、そのうち無差別に人を襲う悪質な事件も、毎日数十件に上るという。こうした実態はほとんど外に知られておらず、当局が情報を封じている。
この異常事態は当局内部でも深刻に受け止めており、不満を抱える人や問題を起こしそうな人を事前に把握するよう、公安など関連部門に指示が出ている。さらに、事件が起きると関連する映像や情報は短時間で削除し、拡散した住民が警察に呼び出されるケースもある。内部では、情報の流出を防ぐため、強い統制を敷いている。
専門家は「社会にたまった不満の噴き出しだ」と指摘し、経済停滞と格差の中で、行き場を失った不満が極端な行動につながっているとみている。
一方で、当局の対応は監視や情報統制が中心で、根本的な原因への対処には踏み込んでいない。不満を抑え込むだけの対策が続く限り、行き場を失った不満は社会の中に蓄積し続け、同様の事件は繰り返される可能性が高い。
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