遠くて近い国アンゴラ 友好50周年と茂木外相訪問で深まる「対等なパートナー」としての未来

2026/05/03 更新: 2026/05/03

令和8年(2026年)5月1日、日本の茂木敏充外務大臣はアンゴラ共和国を訪問し、テテ・アントニオ外務大臣との外相会談、およびジョゼ・マサーノ経済統括大臣を交えたワーキング・ランチを実施した。本訪問は、両国が対等なパートナーとして協力関係を築いてきた外交関係樹立50周年という記念すべき節目に行われたものである。

2026年5月1日、アンゴラを訪問中の茂木外務大臣は、テテ・アントニオ・アンゴラ外務大臣と会談及びワーキング・ランチを行った(出典:外務省)

外相会談およびワーキング・ランチの成果

50分間にわたる外相会談では、日本のこれまでの地雷除去、農業、保健、インフラ分野などにおける支援や、JICAを通じた人材育成に対して、アンゴラ側から深い感謝が示された。アントニオ外相は、国際社会がアフリカ大陸に悲観的であった1990年代初頭に日本がアフリカ開発会議(TICAD)を立ち上げた事実に触れ、日本がいち早くアフリカの可能性を理解していた証左であると高く評価した。 経済関係の強化も主要な議題となり、茂木外相はアンゴラが豊富に有する重要鉱物やエネルギー資源分野での経済関係拡大の意向を示した。その結果、両国はレアアース分野での協力を継続し、日本企業によるアンゴラ産原油取引への参画を後押ししていくことで一致した。 その後2時間に及んだワーキング・ランチでは、マサーノ大臣からアンゴラ内戦後の経済発展と多角化に向けた取り組みについて説明がなされた。また、茂木外相からは「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のビジョンに基づく対アフリカ外交が説明され、現下の中東・東アジア情勢や、アフリカの平和と安定、安保理改革といった国際社会の諸課題において、引き続き連携を強化していくことが確認された。

現地紙『Jornal de Angola』への寄稿

訪問に先立ち、茂木外相は現地紙に「日アンゴラ友好関係50周年:共に発展する未来に向けて」と題する記事を寄稿した。同寄稿では、地理的に1万4000km離れた両国が対等なパートナーとして歩んできた歴史が強調されている。 支援の実績として、1996年から続く地雷除去活動によって約10万ヘクタールの危険区域が縮小したことや、ジョジナ・マシェル病院への医療機材供与、母子健康手帳の普及による妊産婦および幼児の死亡率低下など、アンゴラ国民の生活再建に直結する貢献が紹介された。 また、経済・ビジネス面では、2024年7月に発効した投資協定や、同年12月に発行された計3億米ドルのサムライ債により、日本の投資家の関心が高まっていることが挙げられた。ロビト回廊沿いのロンゴンジョ鉱山におけるレアアース分離・精製に向けた調査事業や、昨年10月に完工したナミベ港の拡張、ブラジルとを結ぶ光海底ケーブル敷設事業など、官民の資金を活用した多角的な投資が進んでいる点もアピールされた。さらに、音楽学院の子供たちの日本ツアーや日本酒の講演会など、両国の草の根の人文交流の重要性にも触れられている。

背景と今後の予測

こうした会談や寄稿の背景には、現在の世界が大きな構造的変化の中にあり、国際秩序が激しく揺らいでいるという厳しい情勢認識がある。国際社会が不安定化する中、重要鉱物や石油などの資源を擁するアンゴラをはじめとしたアフリカ諸国との連携は、日本を含む国際社会の経済安全保障において不可欠となっている。 今後の日アンゴラ関係は、従来の一方向的な開発支援から、「成長の相乗効果」を生み出す相互補完的な戦略的パートナーシップへとさらに移行していくと予測される。特に、アフリカ自身のオーナーシップに基づく責任ある鉱物資源サプライチェーンの強靱化において、日本の技術や投資が重要な役割を果たすことになる。次回の記念すべき第10回アフリカ開発会議(TICAD 10)はアフリカでの開催が予定されており、今回の訪問を契機として、資源開発から農業、インフラまで幅広い分野での日本企業の進出と、両国間の協力関係が一層深化していくことが期待される。

大紀元日本の速報記者。東京を拠点に活動。主に社会面を担当。その他、政治・経済等幅広く執筆。
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