ニューヨーク・タイムズに訴訟 DEI推進のため白人男性を差別か

2026/05/07 更新: 2026/05/07

米雇用機会均等委員会(EEOC)は5日、ニューヨーク・タイムズ(NYT)を提訴した。多様性・公平性・包括性(DEI)目標の達成に貢献できないとの理由で、同社が人種・性別を根拠に白人男性の上級編集職への昇進を拒んだとする内容だ。

トランプ政権がバイデン時代のDEI政策を廃止して以降、多くの企業・機関・団体が相次いでDEI方針を撤廃した。しかし、極左的思潮の根強い一部の企業・組織はDEI政策を維持し、保守派や中立的な立場の人材を事実上排除し続けているとされる。

提訴を受けてNYTの広報担当ダニエル・ローズ・ハ氏は声明で、「EEOCの政治的動機による申し立てを認めることはなく、断固として権利を守る」と述べた。

「我々の採用基準は能力であり、世界最高の人材を採用・昇進させることに尽力している」とした。

同氏はまた、EEOCの主張を「事実を無視したもの」と批判し、人種や性別がNYTの採用判断に影響を与えたことはないと主張した。

NYT、白人男性社員を排除か

EEOCがニューヨーク・マンハッタン連邦地裁に提出した訴状によると、NYTは2025年初頭、人種・性別を理由に当該男性候補者の副編集長への昇進を拒み、経験・実績ともに劣る非白人女性を採用したとされる。この行為は1964年公民権法第7条に違反する疑いがあるという。

昇進を拒まれた白人男性は、NYTに11年在籍するベテラン社員だ。国際版の上級編集者として主に勤務しており、2025年初頭に不動産面の副編集長への昇進を申請していた。

EEOCによれば、NYTは長年にわたり黒人・ヒスパニック系・女性の採用増を図り「より多様で公平かつ包括的な」報道機関の構築を目指してきた。さらに2024年には「非白人」管理職の増員を決定した。この方針の下、当該男性編集者は昇進要件を満たしていたにもかかわらず、最終面接にすら進めなかった。当該ポストは最終的に、経験の劣る女性候補者が獲得した。

同じ選考で落選した最終候補者には、白人女性、黒人男性、アジア系女性も含まれていた。訴状は面接官の評価として、採用された候補者は「全体的に頼りなく、新聞事業の拡大に顕著な貢献が見込めない」と指摘されたと記している。

EEOCは、NYTが違法な採用行為を実行する際「白人男性編集者の権利に対して悪意を持って、または全く顧みることなく行動した」と主張。同委員会はNYTに対し、当該行為の停止と、未払い賃金・将来の逸失賃金・懲罰的損害賠償の支払いを求めている。

EEOC委員長「逆差別は存在しない」

EEOCのアンドレア・ルーカス委員長は声明で、「いわゆる『逆差別』は存在しない。長年にわたり確立された公民権の原則に基づけば、あらゆる人種・性別に基づく差別は等しく違法である」と強調した。

ルーカス委員長はこれまでも繰り返し、採用・メンター制度・研修プログラムを問わず、人種・性別・国籍などを考慮して優遇するいかなる多様性施策も違法に当たると主張してきた。

昨年12月には動画を公開し、差別を受けたと考える白人男性に同委員会への申し立てを促した。またロイター通信のインタビューでは「私の目標は、保守的な公民権の観点への転換である」と明言し、DEIを含むあらゆる形態の人種差別の撲滅に取り組む姿勢を示した。

呉瑞昌
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