中国共産党の外柔内剛 米国には制裁批判 国内銀行には制裁製油会社への新規融資停止を命令

2026/05/08 更新: 2026/05/08

米国が制裁を科したイラン産石油輸入関連の中国製油会社に対し、中共は口頭では「反撃」姿勢を示す一方で、水面下では国内銀行に当該企業への新規融資停止を密かに命じていたことが明らかになった。

ブルームバーグは7日、事情に詳しい関係者の情報として、中共国家金融監督管理総局が国内主要銀行数行に対し、米国の制裁対象となった5社への新規融資を停止するよう口頭で要請したと報じた。ただし既存融資の引き揚げは禁じており、システミックリスクの誘発を避ける意図とみられる。当局はまた、銀行に対して同5社との取引関係を精査し、取引に伴うリスクを評価するよう求めたという。

制裁対象の5社は、恒力石化(大連)製油有限公司を筆頭に、山東省寿光魯清石化、山東金誠石化、河北鑫海化工、山東勝星化工の各社。恒力石化は中国最大の民営製油企業の一つ。米財務省は4月末、イラン産石油の輸出促進に加担したとして同5社を制裁リストに追加した。各社は数十億ドル規模のイラン産石油を購入していたとされる。

中共監督当局による今回の口頭指示は、「五一(メーデー)」連休前に発出されていた。

この動きは、中共商務部が5月2日に公表した通知とは正反対の内容だ。同通知は、いわゆる「ブロッキング規則」を初めて発動し、企業に対して米国の制裁を無視するよう明示したもので、中共党営メディアはこれを米国への「最強硬の反撃」と大々的に宣伝していた。

ブルームバーグは、こうした中共の矛盾した対応が中国共産党政府の板挟みを露呈していると指摘した。トランプ政権に対して強硬姿勢を演出しつつも、主要国有銀行を米国の二次制裁から守らざるを得ない、という二律背反の状況だ。

スコット・ベッセント米財務長官は以前、中国の銀行2行にイラン関連取引への関与が確認された場合は二次制裁を科すと警告する書簡を送付したことを明らかにした。ただし銀行名は公表していない。

ブルームバーグのデータによれば、工商銀行、農業銀行、建設銀行、中国銀行の四大国有銀行はいずれも2018年に恒力石化へ融資を行っていた。

報道はさらに、中共はこれまでも米国の一方的制裁を公式に批判しながら、最大手国有企業には実際には制裁を遵守させることで自国経済への打撃を回避してきたと指摘した。主要国有銀行は従来、イランや北朝鮮、香港高官への制裁を順守してきた。ドル決済システムへのアクセスを失うことが、大手銀行にとって致命的な打撃となるためだ。

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