中国で「老仏爺百貨」と呼ばれる、フランスの老舗百貨店「ギャラリー・ラファイエット」が、北京の店舗を5月27日に閉店する。
「老仏爺」は、もともと清朝時代の皇太后に使われた敬称で、中国では「高級」「特別」といったイメージを持つ言葉として知られてきた。
「ギャラリー・ラファイエット」は2013年に中国へ進出。北京を皮切りに、上海、深圳、重慶にも店舗を広げた。店内には海外の高級ブランドが並び、最先端ファッションを求める若者たちが集まった。
特に人気だったのは、「ここで買い物した」「ここへ行った」とSNSに投稿する楽しみ方だ。店内で写真を撮ること自体が流行となり、「行くだけでステータス」とされるほど、中国の若者文化を象徴する場所の一つになっていた。
しかし近年、中国では景気悪化や不動産不況の影響で、若者の間に節約志向が広がっている。さらにネット通販やライブ配信販売の拡大もあり、高級百貨店の経営環境は急速に厳しくなっていた。
すでに重慶店も2025年3月に閉店しており、開業から約1年半で撤退。北京店でも現在、「閉店セール」「最大半額」と書かれた張り紙が並び、多くの客が訪れている。
専門家は今回の閉店について、「一つの店舗の問題ではなく、中国の高級実店舗ビジネス全体が転換点を迎えている」と分析している。
かつて「豊かさ」や「憧れ」の象徴だった高級百貨店。その灯りがまた一つ、中国の街から消えようとしている。
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