台湾高速鉄道 日本式高速鉄道を拡充 N700ST導入へ三菱重工と契約

2026/05/21 更新: 2026/05/21

台湾高速鉄道を運営する台湾高速鉄路は20日、新型車両「N700ST」の導入に向け、三菱重工業と約26億台湾元(約130億円)の整備関連設備購入契約を締結したと発表した。N700ST導入に伴う設備投資の一環であり、台車検修(BI)や大規模検修(GI)に対応する保守体制の強化を図る狙いがある。フォーカス台湾などが伝えた。

台湾高速鉄路は現在、東海道新幹線N700Sをベースにした新型車両N700STを12編成144両導入する計画を進めている。車両は日立製作所、東芝などによるコンソーシアムが受注しており、2027年下期の営業運転開始を予定している。第1編成は2026年夏にも台湾へ到着し、試運転や認証作業を経て運行開始となる見通しである。

今回の契約は、N700ST導入に伴う一連の大型投資の中核をなすものと位置付けられており、動態試験設備や訓練施設、整備資材調達、検修工場増設など関連契約は過去1年間で21件に上り、総投資額は300億台湾元(約1500億円)を超えるという。これは2007年の台湾高速鉄道開業以来、最大規模の資本的支出となる。

三菱重工は、台湾南部・高雄市の左営車両基地で進む第二検修庫整備にも関与している。軌道、電車線、電力、信号設備の設計や据え付けを担い、車両基地全体の機能強化を支援する。新検修庫の稼働により、車両繰りや検修効率の向上が期待されている。

台湾高速鉄道は2007年の開業以来、利用者数が大幅に増加しており、輸送力増強が課題となっていた。新型車両12編成の投入により、ピーク時に逼迫しつつある輸送力のキャパシティ拡張が期待されている。N700STは現行700Tより加減速性能の向上や省エネ性能の改善が見込まれるほか、座席配置やサービス面のアップグレードも進められる。

日本勢にとっても、今回の案件は新幹線システムの海外展開を象徴する事例となる。車両と保守基盤を含めた「トータルパッケージ」として日本の新幹線技術をアピールすることで、今後の海外高速鉄道案件への波及も期待されている。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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