アメリカのクリスティ・ノーム前国土安全保障長官は6月18日のインタビューで、中国共産党(中共)が関与する組織的な不法移民支援の実態に言及し、中国人系移民のアメリカへの不法入国が「旅行代理店のような仕組み」で手配されているとの認識を示した。
ノーム氏によれば、中共体制下で高度に組織化した不法移民ネットワークの存在を指摘。一部中国人はまずビザ取得が比較的容易な中南米諸国に渡航し、その後、陸路でアメリカ南部国境へ向かうルートを確立している。
近年はエクアドルやパナマ、メキシコを経由する事例が多く報告されている。
移民の多くは若年層であり、中継国到着後に必要書類や携行品が提供され、集団で交通機関に乗せられて米国境付近まで移送されると説明した。この過程には、いわゆる「蛇頭」と呼ぶ中国系人身取引組織や、現地の犯罪組織が関与していると指摘している。
アメリカ税関・国境警備局(CBP)によると、近年、南部国境で拘束または入国を阻止した中国籍の不法移民が急増しており、直近の統計では累計で2万2千人を超えた。
これは数年前と比較して大幅な増加であり、アメリカ国内では安全保障上の懸念として議論が続いている。
さらにノーム氏は、中共および関連組織がメキシコの麻薬密売組織と連携し、フェンタニルなどの合成麻薬をアメリカへ流入させているとも言及した。米政府や議会の一部では、中共が化学原料の供給網に関与しているとの見方もあり、違法薬物流入問題は外交・安全保障課題として位置づけている。
その上でノーム氏は、中共が長年にわたり、軍事、経済、情報分野に加え、サイバー空間や対外影響工作など多面的に影響力を拡大してきたと指摘し、こうした活動が結果としてアメリカの国力を相対的に弱体化させる狙いを持つとの認識を示した。
一方で、中共当局はこれまで、違法移民や麻薬問題への関与を否定している。
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