「引退後も安全圏なし」 中共の反腐敗 退職高官にも及ぶ摘発の手=米紙

2026/06/18 更新: 2026/06/18

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはこのほど、中国共産党の総書記・習近平が進める反腐敗運動について、単なる汚職摘発の段階を超え、党への忠誠を強制する政治的粛清へと変質していると分析する記事を掲載した。

報道によると、中共当局が昨年、処分した党員・公務員は約100万人に上り、過去最多を記録した。習近平が政権を握った当初と比べて5倍以上に増加しているという。

同紙は、中共の最高監察機関が2013年から今年5月までに公表した940件以上の幹部処分報告を分析。その結果、摘発の重点が経済面での犯罪や生活規律違反から、「政治的問題」へと移行している実態が浮かび上がった。

近年の処分は、収賄や職権乱用といった汚職行為に加え、「党への不忠誠」「表向きは従いながら陰で反する行為」「党中央の指示を徹底しない」といった政治的な非行が強調される傾向が強まっているという。

こうした変化の転機となったのは、2014年に失脚した元政治局常務委員の周永康の案件だ。当時、中共当局は初めて「政治規律違反」を主要な罪状として明確に位置付けた。その後、「党への不忠誠」は幹部摘発の常套句となったとされる。

また、当局の監視対象は政治姿勢にとどまらず、私生活にも及んでいる。同紙の集計では、処分を受けた940人余りのうち6分の1以上が、神仏への祈願や占い、観相などの中共政権が「迷信」と位置づける行動が問題視された。

さらに、80人以上がゴルフを楽しんだことを理由に批判され、20人余りが賭博、少なくとも30人が「低俗な趣味」に溺れたとして名指しされた。

さらに、中共当局は近年、退職した幹部への追及も強化している。香港紙「信報」は、この動きについて反腐敗だけでなく、没収対象となる巨額な資産をひっ迫する財政に充てるという側面もあると分析した。

実際、副省部級以上の高官が退職から8年、9年、さらには18年を経て摘発されるケースも相次いでいる。

今年に入ってから判決が言い渡された中央管理幹部の汚職事件は22件に達し、認定された不正資金の総額は約30億元(約600億円)に上る。収賄で得た資金や不動産、宝石、金などの資産は没収され、「党庫」に納められるのが通例だ。

専門家は、財政事情の悪化や党内人事の活発化が進む中、退職幹部への摘発強化には、資産回収と同時に現職幹部への警告という狙いがあると指摘する。「引退後も含め、誰にも聖域は存在しない」とのメッセージを発しているとしている。

新唐人
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