「天然由来」「無農薬」「赤ちゃんにも安心」。
そんな宣伝文句で売られていた中国の人気蚊よけ商品で、次々と問題が発覚した。成分偽装、ぼったくり価格、規制逃れ、ブランド側の見て見ぬふり……。国営テレビまで報じるほど、業界全体のモラル低下が深刻化している。
調査によると、一部の商品は「無農薬」や「植物由来」と表示しながら、実際には蚊よけ効果を持つ農薬成分が使われていた。しかも、中には乳幼児向けとして販売していた商品まで含まれていた。
さらに驚くのは価格設定だ。人気商品の中には、主成分がほぼ水と香料だけで、原価が数十円程度にもかかわらず、約30元(約600円)で販売しているものもあった。
問題は個別の商品だけではない。農薬として厳しい審査を受けるべき商品を、化粧品や日用品として届け出ることで規制を回避する手法も横行していた。
さらに、一部では、有名企業の名前やロゴの使用権を複数の工場に販売し、ブランド使用料だけを受け取るビジネスも横行していた。ブランド側は商品の品質管理をほとんど行わず、問題が起きても「工場側の責任」として切り離しているという。
近年の中国では、食品だけでなく、紙おむつや子供向け商品、ホテル用品など、生活に密着した製品の品質問題が相次いでいる。
もはや個別企業の不祥事ではなく、「売れればいい」「バレなければいい」という価値観が市場全体に広がっていることこそが、今回の問題の恐ろしさなのかもしれない。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。