中国 大学のネット回線を24時間監視 海外サイトを見る学生を自動で特定・記録

大学生が何を見たか全部わかる 中国で監視システム拡大

2026/06/22 更新: 2026/06/22

中国当局が、大学生たちが「真実の情報」に触れることにおびえている。

大学生が海外サイトにアクセスする行為そのものを監視するシステムが、中国の国有企業系企業によって公開され、波紋を呼んでいる。

背景には、先行きへの強い不安から情報統制をさらに強める政権の焦りが透けて見える。

注目を集めたのは、南京の国有企業系企業が公開した大学向けの「海外サイト閲覧監視システム(正式名称・越境VPN識別システム)」の製品説明書だ。

説明書によると、このシステムは大学のネット回線を監視し、誰がいつ海外サイトにアクセスしたのかを分析・記録する仕組みだという。利用者ごとの行動履歴を蓄積し、週報や月報まで自動作成できるという。さらに、政治や宗教関連の情報へのアクセスは重点監視対象に指定されていた。

 

中国の国有企業が大学向けに開発した「越境VPN識別システム」の紹介画面。海外サイトを閲覧する学生の行動を分析・追跡する仕組み(ネット画像)

 

中国では政府が「グレート・ファイアウォール」と呼ぶネット検閲システムによって、GoogleやYouTube、Instagram、X(旧Twitter)、Facebookなど多くの海外サイトやSNSへのアクセスを制限している。そのため、多くの人がVPN(仮想専用通信網)を使って海外の情報にアクセスしているが、当局は近年、その取り締まりを急速に強化している。

なかでも当局が神経をとがらせているのが大学だ。

大学は国内でも比較的インターネット環境が整っており、海外の研究機関との交流も多い。そのため、学生たちが海外の情報に触れる機会も多く、当局は以前から大学を重点的な監視対象としてきた。

当局が恐れているのは、学生たちが海外の情報と国内で流されている情報を比較し、共産党の宣伝との食い違いに気付くことだ。自由な情報へのアクセスが広がるほど、一方的な情報統制は難しくなるためだ。

本紙姉妹メディアNTD新唐人テレビの取材に応じた中国の大学生によると、当局は大学のネット監視を非常に重視しており、特に大学生が真実の情報に触れることを恐れているという。そのため学生の間では、「VPNは学校の外で使うもの」というのが半ば常識になっている。実際、友人の一人は学内ネットワークを使って海外サイトにアクセスしたことで、国家安全部門から事情聴取を受けたことがあった。

もっとも、今回公開された大学向けの「海外サイト閲覧監視システム」が、実際にどの程度導入・運用されているのかは明らかになっていない。専門家からは、「海外の情報にアクセスしようとする人々の動きを完全に止めることは難しい。今回のシステムも、監視強化をアピールして関連予算を確保するための宣伝という側面があるのではないか」との見方も出ている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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