政府 防衛装備品工場の国有化へ法整備検討 長期戦への備え

2026/06/24 更新: 2026/06/24

政府は、弾薬などの防衛装備品を生産する工場の国有化に向けた法案を、来年の通常国会に提出する調整に入った。7月に策定する経済財政運営の指針「骨太方針」にも、法整備の検討を明記する方向だ。共同通信が伝えた。

背景には、周辺の安全保障環境の悪化と、ロシアによるウクライナ侵略から得られた教訓がある。防衛省によると、ウクライナでの戦闘は長期化しており、安価な無人機や弾道・巡航ミサイルを組み合わせた大規模攻撃が行われ、砲弾なども大量に消費されている。これにより、防衛産業への投資が低調だった欧米諸国などでも生産能力が逼迫し、「継戦能力の脆弱性」が露呈した。

政府は、国内の防衛生産・技術基盤を「いわば防衛力そのもの」と位置づけ、強化を不可欠としている。一方で、日本の防衛産業は民生事業に比べて利益率が低く、成長も見込みにくいことから、事業撤退が相次ぎ、基盤の脆弱化が課題となっている。

防衛省は、長期戦にも対応できる生産能力を確保し、抑止力を高めるための手段として「国による製造設備の保有」や、開発・生産リソースの効率的な活用方法の検討を進めてきた。

経済界からは慎重な制度設計を求める声も出ていた。

経団連は2026年5月に発表した提言で、需要増加を見据えた「国内生産・官民連携体制」の構築を求めている。装備品や部材の国内調達を優先することを明確化し、国産化の対象領域や優先順位を示した上で、必要な人材・設備投資に対する支援措置を講じるなど、企業が中長期で投資判断できる予見可能性を与えることが重要だとした。

また、長期的な生産基盤の確保に向けて、政府に対し、平時から消耗・損耗を前提として、国内の生産余力の確保や備蓄・弾庫増強を含めた計画を整えるよう指摘している。

来年の通常国会での法案提出に向け、今後は有事の供給網強靱化を図るとともに、官民の適切な役割分担や、民間企業の事業継続リスクにどう配慮するかが焦点となる。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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