中国財政データに景気低迷の影 消費税減少 企業所得税は0.2%増

2026/06/25 更新: 2026/06/25

中国共産党(中共)当局が発表した最新の財政データによると、2026年1〜5月、中国の国内消費税収入は減少し、企業所得税収入の伸びも鈍かった。個人消費の低迷や企業収益の圧迫を示す内容で、専門家からは、中国経済の厳しい状況が社会不安を強める可能性があるとの見方が出ている。

中共財政部は6月22日、2026年1〜5月の財政収支を発表した。それによると、同期間の全国一般公共予算収入は前年同期比4%増だった。このうち税収は4.4%増、税外収入は2.2%増となった。

中央と地方に分けると、中央の一般公共予算収入は前年同期比5.7%増、地方の一般公共予算収入は2.7%増だった。

主な税収項目を見ると、国内付加価値税は前年同期比6.2%増だった一方、国内消費税は3.1%減少した。中国でいう消費税は、日本の一般的な消費税とは異なり、主にぜいたく品や石油製品など特定品目に課される税である。

米経済学者デービー・J・ウォン(黄大衛)氏は、付加価値税の伸びについて「企業活動や取引が一定程度回っていることを示す」とする一方、国内消費税の減少については「住民の購買力低下を示す危険なシグナルだ」と指摘した。

ウォン氏は「消費税は通常、ぜいたく品や石油製品などに課される。その税収が減っていることは、中間層までが消費水準を下げていることを意味する」と述べた。

一方、企業所得税は前年同期比0.2%増にとどまり、個人所得税は12.2%増となった。

ウォン氏は「企業所得税はわずかに0.2%増えたが、物価上昇率を大きく下回っている。中国の民間企業や中小企業の経営状況が、物価上昇に追いついていないことを示している」と分析する。「現在の状況は極めて厳しく、企業の利益幅は大きく圧縮されている」という。

また、個人所得税は数字上では増加しているものの、実体経済の弱さとは大きく食い違っていると指摘した。

「雇用不振や賃下げが広がる中で、個人所得税が増えているのは、経済全体が好転しているからではない。税務調査や追徴、罰金を強化し、税負担を特定の層に集中させているためだ。より厳格な税務調査や追納も進められている」

注目されるのは、印紙税収入が前年同期比35.8%増となり、このうち証券取引印紙税が88.8%も急増した点である。

米サウスカロライナ大学エイキン校の謝田教授は、「これは、中国国民の資産が今後も目減りする一方で、企業の実質的な収入はほとんど増えていないことを示している」と述べた。

謝田氏は、増えているのは印紙税収入や証券取引など、実体経済とは直接結びつかない金融取引による税収だと指摘し、「これは中国経済全体にとっても、国民にとっても良いことではない」と語った。

一方、不動産売買や名義変更に関わる契税収入は前年同期比14.8%減、土地増値税収入も14.2%減少した。

謝田氏は、「実体企業や実際の営業活動からの収入、個人消費、小売、不動産関連の収入が減っている。その一方で、金融市場の中だけで資金が回り、バブル的な収入が生まれている」と分析する。

そのうえで、「こうした収入は帳簿上、個人所得を増やす可能性はあるが、実体を伴うものではない。結果的には、より大きな金融バブルを生み出すだけだ」と述べた。

2026年1〜5月、全国の政府性基金予算収入は前年同期比19.2%減少した。中央と地方に分けると、中央政府性基金予算収入は10.5%増だった一方、地方政府性基金予算収入は23.2%減少した。特に、国有土地使用権の譲渡収入は28.7%の大幅減となった。

これは、今年に入ってからも中国の土地取引が縮小し、不動産業界の低迷が続いていることを示している。地方政府の財政収入も大きく圧迫されている。

謝田氏は「実体企業の支えがなければ、金融面のバブルはいずれ崩壊する。このような経済成長はゆがんだものであり、見せかけの成長にすぎない。長期的で安定した経済発展にとって、非常に不利だ」と指摘した。

専門家は、現在の北京当局が実体経済の不足を埋めるため、流動性の高い金融資産や取引に頼る一方、小規模投資家や企業家への締め付けを強めていると分析している。

ウォン氏は、「税収確保の動きは、高所得者層への納税管理を強化している。しかし、現在のように経済見通しが弱く、経済環境が悪化している状況では、強い社会不安を引き起こす可能性がある」と述べた。

さらに、「民間企業や高所得層は税負担への警戒を強め、投資をさらに控えるようになるだろう」との見方を示した。

専門家らは、中国の国内消費税や企業所得税の伸び悩みは、個人消費の低迷と企業収益への圧力を反映しているとみている。

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