ウクライナ軍の中距離ドローン戦術 ロシア補給線を遮断し戦況を再編

2026/07/07 更新: 2026/07/07

ウクライナ軍は、ドローンから送信される白黒の熱画像をもとに、ロシア軍の補給線を綿密に監視している。さらに中距離ドローンの編隊を用い、標的への攻撃を実施している。この新たな攻撃手法は、ロシア・ウクライナ戦争における戦場の構図を再編しつつある。

ドローン、補給線を狙う

AP通信によると、ハルキウ地域の地下指揮所において、ウクライナ軍はコントローラーでドローンを操作し、数百キロ離れたロシア軍後方の標的を攻撃している。これにより、前線への補給線の遮断を図っている。

K-2旅団の指揮官「Kat」は次のように語った。
「我々はあらゆる方向から敵を消耗させている。任務は敵の後方支援を断ち、前線部隊への食料や弾薬、暗視装置、バッテリーを不足させることにある」

軍の規定により、兵士はインタビューの際、本名ではなくコードネームの使用のみが認められている。

ウクライナは、ロシア軍の燃料や弾薬輸送、増援部隊が利用する高速道路を繰り返し攻撃している。これにより、ロシア軍の後方支援は遅延し、負担が増大し、予測も困難となっている。その結果、ロシア軍の前進を阻止するだけでなく、ウクライナ軍の反撃やクリミア半島攻撃を支援し、同半島をロシア本土から切り離す効果も生じている。

クリミアとロシア本土の間には、約25キロから200キロに及ぶ陸上回廊が存在する。これまでロシア軍および補給物資は比較的自由に移動していた。しかし現在では、スターリンク(Starlink)衛星通信を搭載した固定翼の中距離ドローンが同地域で運用され、ロシア軍後方の補給地域は新たな戦場へと変貌している。

米海軍分析センターの研究員サミュエル・ベンデット(Samuel Bendett)は次のように指摘する。
「これによりロシア軍は補給線全域で継続的な圧力にさらされている。その結果、前線の一部地域に物資を輸送できなくなり、ウクライナ軍は状況をよりコントロールしやすくなる」

またベンデットは、ロシアが対抗措置を開発する間、ウクライナは圧力を維持し続ける必要があると述べた。ロシア軍は最終的に適応する可能性があるものの、規模の大きさゆえに、その過程でより大きな損失を被るとの見方を示した。

ハルキウ地下司令部と遠隔攻撃

K-2旅団の指揮中枢は、一見すると普通のオフィスのような場所に置かれている。木工工房ではドローンの組み立てが行われ、民家は発進拠点として活用されている。

今年5月、この旅団は800機の中距離ドローンを投入し、そのうち650機が目標に命中した。ドローンは操縦者の遠隔操作により、ロシア軍の防衛線の100キロ以上後方まで進入し、最大4時間の飛行が可能である。

ロシアの侵攻によって故郷を追われたウクライナ兵の中には、ドローンのカメラを通じて、かつて暮らしていた街を見つめる者もいる。かつて通った学校や幼少期に訪れた場所の上空を通過しながら、かつて遊んだ場所でロシア軍の部隊や弾薬庫を捜索するのである。

部隊内の10のドローンチームは常に競い合っており、現在の最高記録は17回連続命中である。

スターリンクが支える通信優位

今年初め、スペースX(SpaceX)はロシア軍による無断のスターリンク衛星サービス利用を遮断した。これにより、ロシア側のドローン運用および通信は混乱し、ウクライナ軍は戦場で優位性を確保した。

発泡ポリスチレンや木材、3Dプリント部品で構成された低コストの中距離ドローン「Dart」は、命中率が大幅に向上し、現在は約80%に達している。一方、大型の「Hornet」は重い弾薬を搭載でき、橋梁などのインフラ攻撃に使用されている。

戦場の後方化がもたらす変化

3か月前、ウクライナのドローン攻勢が激化した際、ロシア軍は不意を突かれた。現在では、機動部隊などの対抗措置を展開し、ドローンの迎撃を試みているものの、完全な対応には至っていない。

現時点でも、ウクライナは優位を維持している。作戦は、占領下にあるマリウポリ、ベルジャンシク、メリトポリ、クリミア半島を結ぶ主要高速道路に集中している。これらは、ウクライナ南部および東部で作戦を展開するロシア軍にとって、主要な補給動脈である。

ウクライナの情報機関は、ドローン攻撃によりロシアとクリミアを結ぶ一部の陸上回廊が極めて危険な状態となり、ロシア軍の燃料や弾薬、増援部隊の移動が遅延していると指摘している。

趙鳳華
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