食料品消費税 来年4月から2年間1%に 高市首相が方針伝達

2026/07/29 更新: 2026/07/29

高市早苗首相は、食料品にかかる消費税率を2027年4月から2年間、現在の8%から1%に引き下げる方針を固めた。超党派の「社会保障国民会議」で具体策の合意に至らなかったことを受け、自ら最終判断し、週内にも自民党幹部に党内の意見集約を指示する方針だ。

高市氏は7月28日の自民党役員会で、食料品の消費税減税を巡り、「決断する時は決断する」と述べ、最終的には自身が方向性を示す考えを伝えた。

その後、自民党本部で麻生太郎副総裁、鈴木俊一幹事長と約30分間会談した。党内では財源の確保や、2年間の減税終了後に税率を8%へ戻せるのかを懸念する慎重論が根強く、高市氏は減税に慎重な麻生氏らの理解を得たい考えとみられる。

国民会議は具体策で合意できず

社会保障国民会議の実務者会議は29日午前、食料品の消費税減税などに関する中間取りまとめの最終案を了承した。ただ、与野党は具体的な負担軽減策について合意できず、それぞれの意見を併記する形となった。

会議終了後、議長を務める自民党の小野寺五典税制調査会長は、物価高や税、社会保険料の負担に苦しむ低・中所得者への対応が必要だとの認識は共有されたと説明した。一方で、「具体案についての意見の一致には至らなかった」と述べた。

中間取りまとめには、2027年4月から2年間、飲食料品の消費税率を現在の8%から1%に引き下げる議長案が盛り込まれた。中・低所得の現役世代には、税率1%相当の範囲で所得に応じた給付を行い、全体として食料品の消費税負担を実質ゼロにすることを目指す。

一方、野党側は、物価高への対策として、より早く実施できる現金給付や恒久的な消費税減税などを主張した。このため、与野党による具体策の一本化は見送られ、最終的な判断が高市氏に委ねられる形となった。

29日午後3時からは、高市氏が出席する社会保障国民会議の全体会議が開かれ、実務者会議の中間取りまとめが報告される予定だ。

衆院選公約の実現を重視

自民党は2月の衆院選で、飲食料品を2年間に限り消費税の対象外とすることについて、実現に向けた検討を加速すると公約していた。

高市氏は、食料品の消費税減税を公約実現の重要な柱と位置づけている。7月27日の記者会見では、国民会議の取りまとめを受け、速やかに税制改正関連法案を国会に提出し、国民が負担軽減の効果を早期に実感できるようにしたいとの考えを示した。

高市氏が当初目指していた超党派での合意は実現しなかったが、首相自身は1%案を軸に減税を進める構えだ。今後は、自民党内の慎重派を説得し、財源や対象品目、給付の対象者、事業者のシステム改修などの制度設計をまとめられるかが焦点となると見られる。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
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