中国で、子供を望んでいるのに授からない夫婦が増えている。
世界各地で60年以上の実績を持つ調査・コンサルティング会社「フロスト&サリバン」によると、中国では2023年、夫婦の5~6組に1組が不妊と推計されている。その数は今後さらに増え、2035年には7440万組に達する見通しだ。
背景の一つが晩婚化である。中国の平均初婚年齢は2010年の約25歳から2020年には約29歳へと、10年間で約4歳上がった。結婚が遅くなれば出産も遅くなる。このほか、男性の精子の質の低下や生活習慣、環境汚染なども影響していると指摘されている。
不妊治療の需要も膨らんでいる。中国政府によると、体外受精などを行う生殖補助医療機関は645施設に増えた。体外受精などの治療は、受精卵を子宮に戻すまでの1回の治療で通常3万~4万元(約70万~95万円)。半数以上の女性が2回以上の治療を必要とするという。一部は公的医療保険の対象になったものの、経済的な負担はなお大きい。
一方で、中国では結婚そのものが急速に減っている。2026年上半期の結婚は327万5000組で、前年同期から7.5%減少。2013年に年間1346万組を超えていた結婚件数は、今では半分以下の水準まで落ち込んでいる。
出生数も2025年には792万人まで減り、1949年以来の低水準となった。住宅費や教育費、雇用への不安から、中国では「結婚する余裕がない」「子供を持つのが怖い」といった声が若者の間で広がっている。
ただでさえ結婚や出産を選ぶ人が減っている。その一方で、子供を「欲しい」と願う夫婦まで授からないケースが増えている。
「産まない」「産む余裕がない」、そして「産みたくても産めない」。中国の少子化は、いくつもの問題が重なり合う段階に入っている。
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