高市首相 官民投資で「新技術立国」へ 先端6分野の税制支援を強化

2026/08/24 更新: 2026/08/24

高市首相は8月23日、X(旧Twitter)への投稿で、日本経済を「強い経済」へ転換するための国家戦略を示した。先の国会で成立した改正産業技術力強化法(2026年法律第41号)と改正産業競争力強化法など(同年第29号)を基軸に、先端技術への研究開発投資や国内設備投資を税制面から支援する。

X投稿で高市氏は、基礎科学の成果が短期間で社会実装され、新たな事業につながる「科学とビジネスの近接化」が進んでいるとの認識を示し「技術で勝って、ビジネスでも勝つ『新技術立国』」の実現を目指すと述べた。

AIや量子など6分野を重点化

改正産業技術力強化法では、早期の事業化が期待される先端分野、「AI・先端ロボット」「量子」「半導体・通信」「バイオ・ヘルスケア」「フュージョンエネルギー」「宇宙」の6分野を重点産業技術に指定し、事業者が研究開発計画の認定を受けられる制度を設けた。

高市氏はX投稿で、『研究開発税制』を抜本強化し、AI、量子など『戦略技術領域』の研究開発に挑戦した企業が、試験研究費の最大50%という、前例のない高い控除を受けられることになると説明している。

財務省によると、認定を受けた重点研究開発計画に基づく試験研究費については、40%を法人税額から控除する。大学や国立研究開発法人など、国が認定した「重点産業技術共同研究開発機関」と共同研究や委託研究を行う場合、控除率を50%に引き上げる。

控除額は当期の法人税額の10%を上限とする。控除限度を超えた額は3年間繰り越すことができ、制度の認定は2027年度から始まる予定だ。

大規模な国内設備投資を税制支援

改正産業競争力強化法に基づき、全業種を対象とする「特定生産性向上設備等投資促進税制」も創設された。

高市氏はX投稿で『大胆な投資促進税制』を創設し、全業種を対象に、大規模かつ高付加価値な国内投資を促進し、一定の要件を満たす場合には、機械装置や建物など、生産に必要な設備投資について、幅広く、即時償却又は税額控除7%といった措置が適用されると説明した。

対象となる投資計画は35億円以上(中小企業5億円以上)、年平均投資利益率15%以上で、意思決定や調達手段の明記が必要だ。認定設備投資は即時償却か税額控除7%(建物等は4%、上限20%、3年繰越)を適用できる。

企業は自社の資金繰りや業績の状況に合わせて、その年の法人税を極限まで減らして手元の現金を増やす(即時償却)か、年間の猶予を使いながら、支払う税金自体を直接カットしてトータルの支出を減らす(税額控除)か選ぶことができる。

ただし大企業に対しては、賃上げ(2%又は1%以上)か国内設備投資(当期償却費総額の40%又は30%超)のいずれかの要件が課される。同税制の申請受け付けは7月31日に始まっている。

産業用地の確保を促進

また地方への企業立地を後押しするため、産業用地の確保に向けた税制措置や規制緩和も進める。

高市氏は、官民連携による産業用地の整備を対象とした「土地譲渡の課税特例の創設」や、生活環境への配慮を前提とする「工場の緑地規制の緩和」により、産業用地の確保を促進するとした。

土地譲渡について、財務省は法人の一般的な土地譲渡益に対する追加課税制度の適用除外を拡充し、地域経済牽引事業の用地整備を行う事業者への土地譲渡を対象に加えるとしている。

地域の生活サービスに金融支援

その他にも、人口減少地域で小売り、運送、交通などを担う事業者への支援も盛り込まれた。

経済産業省によると、改正産業競争力強化法では、生活に必要な物品やサービスの需要減少、供給不足に対応するため、事業の効率化に取り組む事業者を対象とした計画認定制度を創設している。

高市氏は、生活インフラ・流通、医療など地域の生活基盤を支える「エッセンシャルサービスを提供する事業者」に対し、資金供給の円滑化を支援すると表明した。

政府は、研究開発計画や設備投資計画などの認定制度と税制・金融支援を組み合わせ、先端技術の事業化や国内生産基盤への投資を促す方針だ。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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