高市首相 食料品消費減税「速やかに法案提出」 特別国会閉幕で会見

2026/07/28 更新: 2026/07/28

高市早苗首相は27日、首相官邸で記者会見を行った。特別国会は25日に閉会した。首相は飲食料品の消費税減税について、超党派の社会保障国民会議で結論を得た上で速やかに法案を提出する考えを示した。現在の経済状況については「インフレの状況にある」との認識を示す一方、「デフレ脱却宣言」をする状況にはないと述べた。北朝鮮による拉致問題では「私の代で何としても突破口を開いて解決したい」と述べた。

消費減税、結論を得た上で法案提出

首相は飲食料品の消費税減税について、結論を得た上で速やかに法案を提出し、負担軽減の効果を早く実感してもらえるようにしたいと述べた。法案は秋に予定される臨時国会に提出したい考えを改めて示した。

議論の場となっている社会保障国民会議は与野党で構成する。実務者会議の議長を務める自民党の小野寺五典税制調査会長が6月に示した議長案は、来年4月から2年間、食料品の消費税率を1%に引き下げ、中低所得の勤労者には1%相当分を所得に応じて給付に回すことで「実質ゼロ化」を目指す内容だった。給付付き税額控除を実施する2029年度までのつなぎ措置と位置付けられている。

同会議の実務者会議は会見と同じ27日、各党の主張の隔たりが大きいとして、中間とりまとめ案に各党の意見を併記する方針を決めた。議長案は年間5兆円程度とされる財源が課題として残り、国民民主党、中道改革連合など5党は減税より早期に実施できる現金給付が望ましいと主張している。政府・与党関係者によると、首相は8月上旬にも方針を公表する見通しだという。

「デフレ脱却宣言」には至らず

首相は現在の経済状況について、消費者物価やGDPデフレーターの上昇基調を踏まえ「インフレの状況にある」と述べた。一方で、デフレに後戻りしないと確信できる状況には至っておらず、現時点で「デフレ脱却宣言」には至っていないと説明した。経済が成長すれば金利もそれなりに上がっていくとの考えを示し、経済指標や日々の市場動向を注視しているとも述べた。

今国会の反省点を問われた首相は、国家・国民のために仕事をしていくだけであり、反省点は特にないとした上で、あえて言えば市場への発信が重要になってくると付け加えた。国会会期中、市場では円安と債券安が進んでいた。

今後の経済運営については、過度な緊縮思考から脱却し、「責任ある積極財政」を推進すると述べた。債務残高対GDP比の安定的低下を中核としながら、成長と財政規律の「両方を実現する」とした。防衛装備移転原則におけるいわゆる5類型の見直しなどを通じて、1100兆円に迫るGDPを目指す目標を示した。

物価高への対応としては、ガソリンや電気・ガス料金への補助などに言及した。

支持率低下と国会出席時間

内閣支持率の低下について問われ、首相は「数字に一喜一憂することなく、謙虚に真摯に国家国民のために仕事をしていく」と述べた。

時事通信が10〜13日に実施した7月の世論調査によると、高市内閣の支持率は49.0%で、前月から5.3ポイント下落した。昨年10月の政権発足以来、初めて5割を下回った。不支持率は25.2%。年代別では60歳代の支持率が39.9%(前月63.7%)と最も落ち込んだ。

特別国会を振り返る中で、首相は日本の総理大臣の国会出席時間が諸外国に比べて長いという指摘に触れ「国家を腰を据えて戦略的に考える時間を取ることはなかなか簡単ではない」と述べ、首相が国政の重要課題に専念できる環境整備のあり方について、国会や国民と共に考えていきたいとの認識を示した。

拉致問題「私の代で」 外交・安保

首相は、国家情報会議・国家情報局の設置を含むインテリジェンス機能の強化を進めていると説明した。防衛装備移転三原則の運用指針が定める5類型の見直しなどを通じて、同盟国や同志国との連携を深め、抑止力・対処力の向上を図るとした。

北朝鮮による日本人拉致問題については「これ以上の猶予は許されない」と述べ、「私の代で何としても突破口を開いて解決したい」と述べた。金正恩朝鮮労働党総書記との首脳会談を含め、あらゆる選択肢を排除せず問題解決に取り組むとした。

日中関係 APEC首脳会議に言及

日中関係について、首相は中国は重要な隣国であるとし、戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築する方針は首相就任以来一貫していると説明した。懸念と課題があるからこそ、あらゆるレベルで対話を行うことが重要だとし、茂木敏充外相を含め様々なレベルで対話をしていると述べた。

11月に中国・深センで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)で習近平国家主席と首脳会談を行う意向があるかを問われると、「APECの首脳会議、楽しみにしている」と述べるにとどめた。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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