ウイグルの伝統文化や人権問題を紹介するパネル展と映画上映会が8月29日、千葉県の千葉市生涯学習センターで始まった。初日には、パネル展に先立って、ウイグルの歴史や現状を伝える関連書籍の贈呈式も行われた。パネル展は8月30日も午前10時から午後5時まで開かれる。
特定非営利活動法人日本ウイグル協会が主催し、千葉市教育委員会が後援している。会場では、ウイグル文化や人権侵害の実態に関するパネルを展示するほか、チラシやウイグル弾圧の実態を記した漫画冊子「私の身に起きたこと」を無料で配布している。
元収容者や在日ウイグル人の証言集を贈呈
書籍の贈呈は、市民にウイグルの歴史や現状への理解を深めてもらうことを目的に行われた。
贈呈された書籍には、強制収容所の元収容者による体験談を実名で描いた漫画家、清水ともみ氏の『私の身に起きたこと とあるウイグル人女性の証言(清水ともみ著 イラスト)』や、日本で暮らすウイグル人約40人の証言をまとめた『日本人になったウイグル人に中国人がやっていること ウイグル系日本人・在日ウイグル人の証言(三浦小太郎・日本ウイグル協会著)』が含まれている。
本を寄贈した日本ウイグル協会副会長田中サウト氏は「市民の皆様がご覧になり、ウイグルの歴史や文化、現在の状況等に関心を持っていただければ」と述べた。
桜井市議「継続することに意味」

準備を取りまとめた桜井たかし千葉市議会議員は、2022年11月に第1回のパネル展を開催したことに触れ、「こうした取り組みはやりっぱなしにせず、継続することにこそ意味がある」と述べた。今回は日本ウイグル協会からの依頼を受けて開催準備を進めたという。
地方議員や自治体が人権問題を取り上げる意義については、国政レベルの動きが十分でない中でも、基本的人権という共通の価値を守り、声の届きにくい立場にある人々に目を向ける必要があると指摘。市民一人ひとりが問題を自分のこととして考える機会を提供し続けることが重要だとした。
日本ウイグル協会 田中副会長、強制労働問題に言及
日本ウイグル協会の田中サウト副会長は、千葉市教育委員会の後援を受け、市の施設で再びパネル展を開催できたことに謝意を示した。
ウイグルの現状については、ウクライナ情勢やガザ危機などが国際的に報じられる一方、ウイグル問題が解決したかのように受け止められる場合があると指摘した。その上で、現地では情報が制限される中、人権侵害や強制労働が現在も続いていると訴えた。
また、ウイグルでの強制労働によって作られた綿製品や太陽光パネル、電気自動車(EV)部品などが日本市場にも流通していると述べた。消費者が人権侵害に意図せず関わることを避けるため、安価な製品を購入する際には、生産の背景にも目を向けてほしいと呼びかけた。

パネル展は8月30日も午前10時から午後5時まで開かれる。午後1時と同3時からは、啓発映像「自由と人権を求める人々の叫び ウイグル編」を上映する。各回30分で、入場は無料、事前の申し込みは必要ない。
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