タイ軍 国境の巨大詐欺拠点を公開 地下監禁室や手術室も

2026/09/09 更新: 2026/09/09

東南アジアで越境犯罪への取り締まりが強まるなか、国境地帯に広がる違法ビジネスの実態が徐々に明らかになっている。9月7日、タイ軍はタイとカンボジアの国境付近にある大規模な越境詐欺拠点を、各国のオブザーバーやメディア関係者に公開した。内部では、巧妙に隠された犯罪施設が確認され、国際的な関心を集めている。

報道によると、敷地内には150棟以上の建物がある。タイ軍はこの地域を完全に掌握した後、地下施設を初めて報道陣に公開した。

拠点の中心部にある建物の地下からは、劣悪な環境の監禁室が複数あったほか、拷問に使われる器具も確認された。現場の軍関係者によると、タイ軍がこの地域を掌握した際、重傷を負った被害者らを救出したという。

さらに敷地内を調査したところ、詐欺に使われていた大量の道具が見つかった。中国、インドネシア、ブラジル、オーストラリア、シンガポール、ベトナムなど各国の警察署や取調室を再現した背景セットのほか、偽の警察制服や詐欺の台本などがあった。

部屋には詐欺の会話マニュアルや外国の警察制服、取調室を模した背景、容疑者を逮捕する場面の写真なども置かれていた。建物内には、実績を査定する部屋や研修室まで設けられていた。

なかでも注目を集めたのが、敷地内にある「中南病院」と呼ばれる独立した3階建ての医療施設である。タイ軍は、押収した資料などから、施設内に手術室や医療設備が備えられていたと説明した。タイ側は、ここで違法な臓器取引が行われていた疑いがあり、重傷者や借金を返済できない人物に違法な手術を行っていた可能性があるとみている。

これに対し、カンボジア当局は、タイ軍側の主張には確かな証拠がないと反論した。

今回の公開を受け、海外メディアやSNSでも大きな反響が広がった。Facebookの中国語ニュースのコメント欄では、こうした詐欺拠点と中共との関係を疑う書き込みも相次いだ。

あるユーザーは「『一帯一路』は地獄への道だ。世界各地の詐欺拠点は『一帯一路』とともに広がっていった」と投稿した。

これまでにも、詐欺拠点に監禁された人物から、「中国人が中国人を騙している」との証言が出ている。またネット上では、中共内部の福建閥が詐欺拠点を操っているとの書き込みもある。

米国、英国、EUなどの法執行機関やシンクタンクは、カンボジアのプリンス・グループについて、東南アジアに広がる大規模な詐欺ネットワークの中核的な運営主体であり、資金洗浄の拠点になっていると指摘している。

同グループの元従業員は、同社が中共によるカンボジアや東南アジアでの秘密裏の活動を支える主要な組織の一つだったと証言している。一方、同グループは2021年と2022年の2年連続で、中国財経サミットの「社会責任模範賞」を受賞しており、官製メディアも大きく取り上げていた。

 

関連特集: 国際