芸術と信仰
中国の伝統文化は、神々への信仰を中核としていることをご存知ですか?
「中国伝統文化」という言葉から何を連想するか、中国人ではない方に尋ねてみてください。「北京五輪の開会式で古代の服装をまとったダンサーたち」「Heroのような映画で見たカンフーアクション」などの答えが返ってくるかと思います。
宙返りの達人になるには?
中国古典舞踊には、高地点での空中回転の技が豊富にあります。このような難しい宙返りを習得するためには、精確さ、速度、高さに焦点をあてた集中的な訓練が求められます。
豚にならないようにするには?
どうしたら豚にならずに済むでしょうか?『西遊記』の猪八戒は厳しい教訓を経ながらその方法を学び取ったようです。元々は天界で8万人の仙兵を指揮する天蓬元帥(てんぽうげんすい)でした。しかし、酔った勢いで月の女神・嫦娥に強引に迫ったため、鎚で2000回打たれる刑罰をうけ、地上に落とされます。こうして、腹が出て耳がとがり、鼻の突き出た豚の妖怪としてこの世に生まれ落ちたのです。
孫悟空
孫悟空は波瀾万丈の生涯を送りました。不思議な岩から生まれ、道家の祖師から超能力を授かり、仙人の住む桃園から桃を盗み、天上に混乱をもたらします。
堅固な意志を持つ三蔵法師
「千里の道は一歩から」という格言があります。一人の僧侶が、一歩を積み重ねることで17年間の旅路が可能であることに気がつきました。この若い僧侶の名は「玄奘」または「三蔵法師」として知られ、「唐僧」としても 親しまれています。冒険に満ちた取経の旅の史実から、伝奇小説『西遊記』が生まれました。小説の中で玄奘は、唐の皇帝・太宗の要請でインドへ渡り、仏教の経典を持ち帰りました。
イ族の踊り
スカートを翻して回転するイ族の民族舞踊は、色彩豊かな流れるようなドレスで引き立てられます。このエレガントなまばゆいドレス1着に9メートルの布地が使われています。ダンサーのドレスに使われる異なる布地は、横に並べられ、縫い合わせられます。その長さはサッカー場がほぼ二つ入る面積の斜線にあたります。
チベットの踊り
チベット舞踊には、独特の伝統様式が深く反映されています。チベット舞踊の中で最も独自性の高いものは、体を前方に傾けながら、膝を使って細かく絶え間なく弾む舞踊様式が挙げられます。ほぼ全ての動きにみられますが、これは起伏の激しい長い道のりを歩いて水を運ぶ日常生活から生まれたものです。
ミャオ族
ミャオ族は長い間、過酷な移住生活を強いられてきたので、祖先が残した書籍や遺品を持ち歩くことは不可能でした。しかし継承文化が失われることはありませんでした。衣服に刺繍することで過去の記録を残していったのです。
「武」と「舞」
「舞」と「武」は音読みで「ブ」、中国語では「ウ」と発音されます。古代中国では、 舞踊も武道も嗜むものが、学問に精通するとされてきました。
中国古典舞踊の起源
中国古典舞踊は壮大な中国五千年の歴史を基盤に確立しています。身体をパフォーマンスの媒体として、悲喜、威厳、狂気まで、人のあらゆる感情を幅広く表現する実にパワフルな舞踊です。
圓場
神韻の演目を鑑賞された多くの方から、女性ダンサーは舞台で浮かんでいるかのようだというコメントをいただきます。仙女のような若いダンサーの足には羽が生えているのでしょうか。それとも中国古典舞踊の秘伝が隠されているのでしょうか。
紫金冠跳
以前に「紫金冠」をご紹介しました。この蹴り上げが空中で行われると「紫金冠跳」になります。
紫金冠
女性ダンサーが必ず修得すべき技法に「紫金冠」があります。写真の通り、片方の足を後ろに振り上げ、このポーズで静止しなければなりません。この動きのバリエーションの一つに、後ろ足を蹴り上げて両手で掴むポースがあります。写真は完璧な姿ですね。
撩弾躍(リャオ・タン・ユエ)
中国古典舞踊を修得する際に最初に身につける、大幅な移動を伴う跳躍が撩弾躍(リャオ・タン・ユエ)です。何年もかけて完璧なものへと磨き上げることで、跳躍やはずみ全体が向上していきます。
小射雁跳(シャオ・シャ・ヤン・チャオ)
中国古典舞踊の小ジャンプで最も良く使われる身法の一つです。多くの動作の組み合わせや振付けの一部としても組み込まれるので、ちょっと注意すれば、神韻のダンスの演目のあちらこちらで用いられていることに気づくでしょう。
大射雁跳(ダ・シャ・イェン ・チャオ)
「大射雁跳」は、中国古典舞踊でも人気のある「跳」の技巧 です。馬上で弓を射る姿を起源とするもので、空中で文字通り「雁を射る」かのように上半身を捻ります。
円を描く
円の描き方は、おおまかに、平圓(水平の円)、立圓(垂直の円)、八字圓(八の字の円)に分類できます。平圓は石臼のように大地に並行して円を描き、立圓は車輪のように大地に垂直に円を描きます。そして八字圓では互いに逆方向に回転しながら二つの車輪で八の字を描いていきます。
踹燕(チュアイ・イエン)
この身法の名称は文字通り「燕を蹴る」ですが、私たちが技法を駆使する際に、動物が傷つけられることは全くありませんのでご安心ください。空を高く舞う燕のような高さまで、ダンサーは足を高く蹴り上げます。燕が顔をつついたり、爪で捕まられないように、上半身を後ろに深くそらせます。「踹燕」には「硬踹燕」(ハードキック)と「軟踹燕」(ソフトキック)があり、写真は柔らかい「軟踹燕」を示しています。
弓箭步(ゴン・ジャン・ブ)
きちんとした弓箭步のポーズは、難しいポーズの前段階のステップになります。様々な技法に移る前の構えでもあります。どんな技法に移っていくのか、舞台をご覧になるときはお見逃しなく。