「ハイブリッド米の父」袁隆平氏が死去で再び注目された「大飢饉」の歴史
中国の水稲研究の第一人者で「ハイブリッド米の父」と称される袁隆平(ユエン・ロンピン)氏が22日、湖南省長沙の病院で死去した。90歳だった。中国メディアは同氏の死去を大きく取り上げ、飢饉問題を解決した「世界の英雄」と最大級の賛辞を送った。
著名ジャーナリストに渡航禁止命令 授賞式出席を阻むため=中国
1958年から1961年の3年間にわたって中国で展開された「大躍進政策」。その失策によって史上最悪の大飢饉が中国全土を襲い、数千万人の餓死者を出した。この大躍進について綿密に取材を重ね、当時の様子を詳細に掘り起こしたルポタージュ『墓碑』(邦題『毛沢東大躍進秘録』文藝春秋社)の著者で元ジャーナリスト、楊継縄氏が当局から出国を禁止された。このたび同氏に授与された賞の授与式への出席を阻むための措置とみられる。
3600万人が死亡 隠された「大飢饉」暴いた中国人作家、国際賞を受賞
1960年ごろ、中国で起きた「大飢饉(ききん)」の実態を暴いた作家・楊継縄氏が、勇気あるジャーナリズム精神を称えられ、「スティーグ・ラーソン」賞を受賞した。楊氏は受賞式典でも、中国共産党が政策の失敗を隠ぺいし続けていると指摘し、悲惨な当時の状況を改めて語った。