米軍の新型中距離ミサイル展開:アジア太平洋地域における中国抑止戦略
米軍は本年内に、アジア太平洋エリアに新型の中距離ミサイルシステムの配備を予定しており、これは1987年の米ソ中距離核戦力(INF)条約の締結後、初めてのことである。この配備は、中国共産党による台湾への潜在的侵攻を抑止する狙いがあると、米軍は以前より表明している。
4月3日には、チャールズ・フリン米太平洋陸軍司令官が、駐日米国大使館での記者会見において、「近いうちに中距離ミサイルの発射能力を備えた装置がアジア太平洋地域に配備される」と発表した。
INF全廃条約破棄で無力化される中国の接近阻止戦略
ソ連と米国が結んだ中距離核戦力全廃条約が、破棄通告から6か月後の8月2日、破棄された。ソ連崩壊後もロシア連邦が条約を継続したが、トランプ米大統領が不満を持ち破棄。これで世界は中距離弾道ミサイルを巡り策略の世界に突入した。