世界動物衛生組織:鳥インフルエンザはすでに全世界で蔓延する兆し

2006/03/14 更新: 2006/03/14

【大紀元日本3月14日】世界動物衛生組織はこのほど、鳥インフルエンザが米国やカナダ、豪州などで広範囲に流行する恐れがあると発表した。

世界動物衛生組織のワライト総理事は、鳥インフルエンザの世界での疫病発生状況を分析して、現在までのところ、オーストラリア 、米、カナダなどの三カ国はまだ鳥インフルエンザの被害は出ていないが、鳥インフルエンザは豪州で広まる可能性は極めて大きい。米国とカナダも非常に高い危険性があるとしている。

今年2月下旬にフランスのパリで開催したヨーロッパと周辺部50余り国家が参加した世界動物衛生組織の鳥インフルエンザ会議に、多くの専門家は、鳥インフルエンザは現在すでに全世界に広がりつつあり、危険な状態であると指摘している。

H5N1 鳥インフルエンザは2003年からアジアで初めて発見されて以来、すでに中東、トルコとロシア、ルーマニア、フランス、ドイツなどヨーロッパ諸国で次第に広がった。アフリカのナイジェリア、エジプトとニジェールなどの国でも、鳥インフルエンザのウイルスを発見した。

国際衛生組織総理事・李鍾郁氏は、アフリカでは鳥インフルエンザを制御しにくい、原因の一つはアフリカ国家の衛生条件や監視測定能力がすべて比較的薄弱であることを指摘した。

李鍾郁氏は、発展途上国政府は鳥インフルエンザを自国で予防すべきで、対処する力がない場合、国際協力機構は互いに援助するべきだと述べた。同時に、関係専門家達も国際的な協力を強化することにより、鳥インフルエンザの伝染を防ぐ有効な手段になると強調した。国際社会は鳥インフルエンザの疫病発生状況の深刻な地域、特にアフリカに援助するべきであると強調した。

豪州の通信社によると、中国浙江省の9歳の女の子は鳥インフルエンザに感染し、死亡したことが確認された。これは中国の今まで現れた10回目の鳥インフルエンザ死亡病例である。この女の子は2月10日に発病、症状は肺炎のように熱が出る。中国共産党の衛生部門の調査を通じて、死者は発病する前、安徽省広徳県の親戚の家へ行ったが、そこはかつて病気によるニワトリの死亡例があった。

また3月2日、32歳の広州の男性も鳥インフルエンザで死亡。中国共産党農業部門の官僚によると、今中国では春季で、鳥インフルエンザのウイルスが流行、今春鳥インフルエンザが広範囲に伝染する可能性があるとみている。

現在、全世界30カ国でH5N1型の鳥インフルエンザのウイルスが発見され、感染者160数人の半数が死亡している。