メルケル独首相:中共に、勇気をもって批判の声を

2006/05/24 更新: 2006/05/24

【大紀元日本5月24日】2日間の中国訪問を終え、ドイツメルケル首相は23日上海で、ドイツテレビ局の独占取材を受け、「中国は世界で主導的な役目を担うことに意欲を示しているが、人権と知的財産権の保障において依然不備があり、我々はこのような中国に対し、勇気を持って批判の声を発すべき」と述べた。

中央社の報道によると、メルケル首相はドイツのZDF放送の取材で以上のコメントを発表した。

首相はまず、ドイツ企業が中国で知的財産権の侵害を受け、非自主的な技術提供を要求されているとの問題について、「中共は知的財産権の保障を勉強しなければならない。我々が実行しているのと同じのように。簡単に(人が開発した技術を)『コピー』することは、略奪である」と批判した。

首相は、中共指導者がこの問題の解決には依然困難があると認めたと明かし、ドイツ企業は中国でこの問題が解決したと信じてはならない、これからドイツ政府は引き続きこのことに注目していくと述べた。

訪問に同行したドイツ政府関係者は、「両国は今回の訪問直前に、上海と杭州を結ぶリニアモーターの建設について交渉を行ったが、中共はドイツ政府が建設費用を負担することや、技術提供の比率を上げることなどを要求したため、ドイツはそれを拒否し、交渉は失敗に終わった」と明かした。

そのことについて、メルケル首相は、「中国は強硬な交渉相手であるが、我々も毅然とした態度を堅持すべき。リニアモーターの件のように、相手にタダであげることはできないと明確に告げるべき。中国のような経済隆盛の国に、相応の代価を支払うことを期待している」と指摘した。

メルケル独首相は今回の訪問で、ほかの訪中する欧米国家の指導者と違い、公で中国の人権問題を明確に提起、ドイツメディアに対し、「中国の人権問題は明らかに欠陥があり、信教の自由の推進も進めていない。もし外国の訪問客がこの問題を頻繁に提起し、改善を促し続ければ、将来情況は改善されると確信する」と国際社会の関心を呼びかけた。

首相は訪問中、22日北京のドイツ大使館で農民問題に関心を寄せる民主活動家など4人と面会し、23日上海で27年間も監禁されたカトリック教の金魯賢・司教(91歳)と会談した。

23日、メルケル首相は上海でカトリック教の金魯賢・司教と会談した (AFP/Getty Images)

司教と面会した後、首相は「とても感動した」と心情を語った。

関連特集: 人権問題