【大紀元日本6月6日】黒龍江省富錦市で政府当局に強制的に立ち退きされ、農地を失った農民2913人がこのほど、権利を主張し実名で署名を行い、北京五輪ボイゴットの抗議活動を行った。富錦市長安鎮東南崗の農民許さんによると、今のところ、すでに5~6千人の署名が集められたという。
農地を失った富錦市の農民たちは、自らの農地を守るために11年間にわたり権利を主張し続けてきたが、問題は未だに解決できないでいる。地元の農民・銭さんによると、提訴しても無駄であり、政府関係者らは自分たちには関係ないと責任逃れしているとし、中央テレビ局にも報道してもらおうとしたが、テレビ局側から、中央指導者の許可がなければ、報道はできないと言われたという。農民たちは、政府はここまで腐敗し、中国では人権はまったく保障されていないと憤りを覚えたという。
村民たちは、中国に民主自由の早期実現を期待し、国際社会の人々から支援の手を差し伸べてもらい、中国の法律を健全化させ、汚職腐敗の政府関係者らが裁かれるよう望んでいると打ち明けた。
海外メディアによると、北京当局が五輪の宣伝攻勢を強化することに連れて、国際社会では中国側が人権状況の改善を図っていないと非難され、五輪ボイコットの声も上がっている。少し前に、米国の俳優や、仏大統領選候補なども、ダルフールの大量虐殺で国際社会から非難されているスーダン政府を中国が支援していることを理由に、北京五輪ボイコット活動を展開し、中国の人権改善を促した。
一方、アムネスティ・インターナショナルの報告では、来年の北京五輪開催を前にし、中国側の人権蹂躙状況は日増しに深刻になっていると発表し、「中国共産党(中共) は北京五輪を人権蹂躙の道具にしている」と指摘した。
*政府職員が地主に変身し、農民へ税金徴収
農民によると、十数年前に、黒龍江省富錦市各級政府関係者らは、国家建設項目のためを口実に、中韓合資農場の建設用地として、頭興地区で57万ムー( 約3万8000ヘクタール)の農地を収用し、多くの村民が強制的に立ち退かされた。当時、土地収用するために、村民の家屋も学校も人為的に破壊されたという。1997年に、中韓合資農場が解散され、もともと農民が所有した農地は返却されず、政府関係者は土地開発企業を設立し、地主と化した。政府関係者らが、土地を反対に農民に対して高額の賃貸料で貸し出したことから、農民たちの不満が募ったという。農民たちはそれから11年にわたり、当局に対して訴え続けてきたが、未だに問題は解決されていない。
農民の張さんは、「大地主らは市の指導者である市長、局長、財政などの政府職員だ。農民の土地を奪い、ビジネス化し、国家建設項目を取得して、国家の貸付金を騙し取っている。政府関係者は全員、地主になった」と指摘した。一方、当局は賃貸料を支払わせるために、暴力団や警察を派遣し、農民たちが田植えなどができないように嫌がらせをし脅かしたという。農民たちは、それに対し、2ヶ月間北京へ直訴したが、何も得られなかった。
農民の王さんによると、当局は暴力団などの力を借りて、農民に対して暴力的に立ち退きを迫ったため、多くの農民が負傷し、命の危険を感じたものは数十年間生活してきた家を離れたという。また、地元当局は、直訴した農民を強制労働収容所へ送り込んだという。
農民たちは自分たちの土地を守るために、頭林鎮興華村、豊村、慶富村、興隆崗鎮聯豊村の107人が連名して行政訴訟を起こし、法律に則りあらゆる方法を取ったが、未だに見通しがまったくつかないという。
中国民主化に尽力する人権活動家は、人権を主張する個々の人に対して、民主運動への声援を促し、民主運動の呼びかけによって個々の人権主張者が実際の問題解決ができ、やがて全国の直訴者たちの民主運動への参加が促され、中国民主運動の局面を打開することができるとの意見を示した。同人は「国内外の民主化運動活動家は、農民たちの安全のためだけではなく、実際の利益獲得のために努力し、署名参加を呼びかけるべきだ。同時に、農民たちの署名リストを公開し五輪主催委員会に宛てて、中国の自由民主の早期実現を望みたい」と呼びかけた。
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