【大紀元日本11月18日】中国広東省深圳市福田区にある香港企業の製紙工場で12日、同工場従業員約300人が賃金未払い問題で街へ出てストライキを行った。当局は武装警察約千人を出動させ、抗議者と衝突したため、約20人の抗議者が負傷し、その内の2人が重傷を負った模様。また、そのほかに抗議者11人が連行された。
福田保税区にある香港企業の美福瓦通紙品有限公司は、資金繰りの問題で今年の3月から工場の一部稼働のみになり、9月には工場の稼働が完全に停止した。企業側は従業員700人に対し10月中に補償金を支払うことを約束したが、未だに支払われていない。従業員らは何度も政府に訴えたが、当局は一向に対処しなかったため、従業員約300人が12日に福田保税区に集まり、道路を遮り、地元行政府に迅速に処理するよう求めた。
これに対し、当局は数百人の武装警察、公安などを出動させ、抗議者と衝突した。
抗議に参加した従業員李さんは海外メディアの取材に対し、現場に到着した警察はいきなり抗議者を殴り、約20人が暴力で負傷したと話した。李さんは「私は深圳に来て20年余りだが、このような場面に遭遇するのは初めて。警察はここに着いた途端人を殴りだした。われわれを人間として見ておらず、非常に暴力的だった。2人が入院し、負傷した人は20人、子供を抱いている人まで殴られた」と当時の状況を説明した。
また、匿名希望の従業員によると、重傷を負った2人は頭部を負傷。そのほかに、従業員11人が連行された。
李さんによると「労働法に従えば、1年以上継続して勤務している従業員は補償金が1カ月分、最高12か月分をもらえる。自分の場合は、16年間働いていることから、補償金は約3万元(約42万円)になる」と説明した。また、殆どの従業員は地方からの出稼ぎで、今から別の仕事を探すのは非常に困難だと示した。今後の生活は問題になることから、早く補償金を手にして帰郷したいと語った。
「これらの補償金はわれわれの唯一の資金だ。すでに1カ月以上待っているし、政府は何もしてくれないから、われわれは今、食事をするお金すらないのだ」と李さんは訴えた。
美福公司は30年の経営歴史をもつ香港順豊瓦通紙品有限公司が1995年に深圳市福田保税区に登録した企業で、ピーク時には千人の従業員を有していた。
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