【大紀元日本9月26日】中国大陸では、人権活動に関わる僧侶が相次いで当局による取締りの対象となっている。中共政権樹立60周年を目前に控え、当局は直訴者や異見者への拘束をエスカレートさせているが、僧侶もまぬがれなかったようだ。
RFA(ラジオ自由アジア)23日付の報道によると、北京郊外に2年間住んでいる果実僧侶は最近、アパートの大家から部屋を出ていくように言い渡された。大家によると、警察から圧力がかかったという。果実僧侶は契約が12月まであることを訴え、なんとかアパートを出ずに済んだが、60周年の10月1日には家から一歩も出ないという約束をさせられた。
果実僧侶は「私のアパートは天安門広場から遠い。国慶節のために、なぜ警察がそこまで怖がるのか理解できない」と憤慨する。
出家する前、当局によって精神病院に閉じこめられた経験を持つ果実僧侶は、積極的に人権活動を行っている。今年、フランスが制作した六四天安門事件ドキュメンタリー「禁じられた記憶(Forbidden Memory)」の制作に関わり、当局からは「要注意人物」として睨まれている。
果実僧侶のほか、同ドキュメンタリーの制作を手伝った数人の仏教信者も当局から圧力を受けている。天安門事件(1989年)当時、毛沢東の肖像めがけて生卵および塗料を投げつけた喩東岳さんをドキュメンタリー制作者に紹介したとして、湖南省瀏陽市紅蓮寺の住職・聖観法師が、当局から免職処分を受けた。また、同法師の弟子で 「瀏陽日報」記者の大悟居士は今年6月、警察に拘束され、地下室で5日間にわたる尋問を受けている。また、もう1人の弟子でインターネット人権活動家の心光居士は、ドキュメンタリー制作に参与したとして父親と共に当局に連行され、7時間におよぶ尋問を受けた。
かつて中央テレビ局に勤め、国営企業の社長にまで登り詰めた聖観法師は、2002年に出家。今年6月末に住職の任を解かれた後、瀏陽市紅蓮寺に胡耀邦の記念塔を建設することを提案したが、当局からの反応はない。現在、同法師は各地を回り、人権を訴えている。
同法師は「今年の60周年記念について、当局は神経質になり過ぎている。自分で自分の首を絞めているようなもの」と話す。また、自身が懲戒免職になったことについて 「中国当局にとって、腐敗した僧侶はいてもよいが、専制政治に反対する人は追い出すということだ」と述べた。
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