【大紀元日本12月9日】新型インフルエンザが急速に蔓延している中国で、11月末から、当局は公表した死亡者数を数回修正した。11月中旬中国の呼吸病専門家鐘南山教授が公に、政府が発表した53人の死亡者数は全く信用できないと批判した後、当局は今月2日、死亡者数を178人に修正した。その2日後の4日、更に200人に上げた。
政府側は中国大陸での新型インフルエンザの感染者数や死亡者数を絶えず更新し続けてはいるものの、外界には、中国当局が実際の数字を隠ぺいしており、実際の数字から大幅にかけ離れているとみている。
11月30日までに政府側が示した新型インフルエンザ病例は9万2千904例。多くの民衆によると、この数字は実際の感染者数と照らし合わせるすべがないという。広東省深セン市の病院11か所の1日に診察した発熱児童の数だけでも1万7千844人に達しており、同市職員は、感染者数は恐らく100万人を突破しているだろうと伝えている。
大陸から寄せられた情報によると、一部地区では、病院は新型インフルエンザ検査を行わないことが要求されている。広東省広州呼吸器疾患研究所の専門家は、一部地域の衛生部門は重症の肺炎患者に対する検査を行いたがらないと話した。裏には、新型インフルエンザの死亡率が上がると、その地域の防疫業務が不利になるという規則が隠れているという。
浙江省青田県でも現在新型インフルエンザの検査は行われておらず、多くは普通の風邪として治療される。検査で新型インフルエンザかどうかを調べるには200元の自費とその病院の院長の同意サインが必要なのだという。
上海市民の話によると、万博が開催されるため、上海の病院では上級命令により、新型インフルエンザ検査ができない。感染した患者が病院に行っても通常の処理法に従い治療するだけなので、誰も自分が感染しているかどうか分からない状況だ。
本当の死亡者数は不明
2日、衛生部は、報告した178例の死亡者数は欧米など各国よりはるかに少ないと述べた。衛生部職員は中国の新型インフルエンザ状況は総体的に穏やかであり、死亡率は季節性インフルと大差ないと伝えている。
河北省のある三級甲等病院(市衛生局や国衛生部直轄で一定の医療環境基準を満たす病院)医師は3日、国内の新型インフルエンザはすでに収拾できないほど氾濫した事態となっているが、当局は民衆のパニックを恐れ、患者に対し感染した事実を隠し、詳しい鑑定もしないと話している。
同医師によると、新型インフルエンザかどうかの検査が行われずに死亡した患者は少なくないが、その患者たちはもちろん新型インフルエンザの死亡病例には反映されないと話す。また、最初に新型インフルエンザと診断された後、陰性になり死亡した患者も一律、新型インフルエンザによる死亡者としては扱われないのだという。
吉林省長春市疾病予防センター職員の話によると、病院側から、新型インフルエンザの統計データは機密であり、外部に漏らしてはいけないと命じられている。また死亡や重症病例数についても家族に対してさえ知らせてはいけないという。疫病関連データは省衛生庁だけが対外的に公表する資格を持つ。
中共衛生部医政司職員は、これまでに新型インフルエンザ死亡者数隠ぺいに関連する告発や苦情、あるいは組織的、計画的な隠ぺい行為が発生したという報告はないとしている。
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