激変する中国 子どもを巻き込む惨劇

中国・広州で「また暴走車」 軍事パレード前夜に社会報復か【動画あり】

2025/09/03 更新: 2025/09/03

【閲覧注意】本記事には、残虐な映像や画像があります。ご注意ください。

北京での大規模軍事パレードを翌日に控えた9月2日夜、広東省広州市海珠区の公園近くで暴走車が人混みに突っ込み、多数の死傷者を出す事件が起きた。軍事パレード前夜の「社会報復」とされるこの惨劇は、市民に衝撃を与えた。

当局は社会報復との見方を否定し、「40歳の男・葉による疲労運転の交通事故」と断定。容疑者を拘束し、負傷者は6人と発表した。だが、この事件を意図的に矮小化したとされる当局の発表(通報)は、まもなく削除された。

 

事件現場(映像よりスクリーンショット)

 

本紙(大紀元時報)にも多くの目撃証言が寄せられている。現場からは「倒れた人は十数人に及んだ」「2歳の子供も巻き込まれた」との声が相次ぎ、「現場は本当に深刻だった。当局はいつも事態を矮小化する」との批判も上がった。

 

(現場の様子。2025年9月2日夜、中国広東省広州市海珠区)

 

一方、ネット上では情報統制が敷かれ、投稿された映像は次々と削除された。大手ポータル「搜狐」に一度は掲載された関連記事も消去。現場一帯は警察によって封鎖、今回も真相は闇に葬られた。

 

事件現場(映像よりスクリーンショット)

 

市民の間では「本当に交通事故なら、なぜ情報統制するのか」という疑問が噴出している。当局の抑え込みの姿勢から「あれは社会報復に違いない」と信じる人も少なくない。

 

(現場の様子。2025年9月2日夜、中国広東省広州市海珠区)

 

中国各地では近年、暴走車による突入や刃物を使った無差別の襲撃が繰り返されている。経済の悪化と社会的な閉塞感のなかで、突発的な「社会報復」は日常化しつつあり、人々は「またか」「次は自分かもしれない」と口にし、人混みを避けるようになっている。

今回の事件が、よりによって軍事パレード前夜に起きたことは象徴的だ。ネット上には「末世の光景、まさに軍事パレードへの献礼だ」との声も上がった。

 

(現場の様子。2025年9月2日夜、中国広東省広州市海珠区)

 

こうした社会報復とされる事件が起こるたび、華人圏では「無関係な庶民を狙うなんて卑怯だ。ヒーローになりたいなら政府庁舎に突っ込め」といった声が必ず上がる。いまや「冤有头债有主,出门左转是政府(恨むべき相手や責任を負う相手ははっきりしている。あなたに不幸をもたらしたのは政府だ。家を出て左に曲がればそこに政府がある)」という、矛先は庶民ではなく政府に向けよ、とする言葉は華人社会で広く知られる名言の一つとすらなっている。

さらに「就業環境の悪化で、底辺の人々はもう耐えられない。今後はこうした事件がもっと増えるだろう」との嘆きも広がり、不安と諦めが社会全体を覆っている。

 



中国でまたも「社会報復」 子供を狙った無差別襲撃 死者10人以上か【動画あり】

中国でまたも無差別襲撃。子供多数犠牲、情報は封鎖。見えない恐怖が中国を覆う。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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