【大紀元日本12月14日】河北省平泉県ではここ数年、政府による「3年大変様(三年で町を大改造)」という名の下に不動産開発が行われ、民家の強制立ち退きが相次いでいる。10日午前、警察や城管(都市管理人)を含む100人以上が興平地区に押し寄せ、村民の王雅文さんの家を取壊した。家に住んでいた90歳あまりの老人が、意識を失う騒ぎもあった。
村民によると、平泉県政府からの要請を聞き入れなければ、強制立ち退きを免れず、陳情すれば警察に拘留されるという。08年3月、強制立ち退きに抗議するため、取り壊しにきたトラックの下に身を横たえた村民の閻海さん(当時42)が、腰を轢かれて死亡するという事件もあった。その時、老人2人も暴力を受け、病院へ運ばれている。
今回強制立ち退きを強いられた王さんは三世代6人家族で、2階建て店舗付きの住宅に住んでいた。平泉県政府が提示した補償金は22万元で、市場価格の10分の1にも満たない。王さん一家が政府からの要求を拒否したところ、政府は断水、停電、道路封鎖、暴力団による脅しなどの嫌がらせを続けた。陳情すればすぐに拘留されるため、王さん一家は為す術がなかった。王さんの話によると、ほんの十数メートルしか離れていない酒屋も立ち退きの対象となったが、政府職員とコネがあるため、395万元の補償金を提示されているという。
取り壊された王雅文さんの家の跡。意識を失った家族の老人が、運ばれている(ネット写真)
王雅文さん宅取り壊しの様子。この寒空に一家6人は帰る家を失った(ネット写真)
王雅文さんが受けた暴力の跡(ネット写真)
王さんは、「私たちが(承諾書に)サインしなかったため、彼らは強制立ち退きを実施した。一度目の陳情は許すが、二度目は拘留すると彼らは言った」と話している。
同じ村に住む鄒(すう)智慧さんの家も、昨年8月、強制立ち退きにより取り壊されている。当時、鄒さんの夫は抗議したために殴られ、入院した。鄒さんは陳情を始めたが、当局の回答が得られないまま今月11日、二度目の陳情の後に拘留されている。
王さんの自宅が取り壊された日は、奇しくも12月10日の世界人権デー。この冬の寒空に、一家は帰る家を失い、路頭に迷っている。
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