【大紀元日本4月22日】米インターネット検索大手グーグルは20日、世界各国の政府機関からコンテンツの削除と特定ユーザーの情報開示を要請された回数のデータを公表した。
検閲件数が最も多かったのはブラジルで、2009年7月から12月の半年間で291件だった。2位はドイツで、データの削除が188件、3位は142件のインド、4位は123件の米国だった。個人データの提供はブラジルが3663回で1位、米国が3580回で2位だった。ブラジルでの削除・公開回数が多いのは、同社のソーシャルネットワーキングサービス「Orkut(オーカット)」が普及しているためと専門家は見ている。
グーグルのデービッド・ドラモンド最高法務責任者は「情報をオープンにして透明性を高め、より検閲を少なく出来ると考えている」と話しており、同社は8割以上の要求に応じているという。
一方、中国での情報開示要請の数は公開されていない。これについて、グーグル側は「検閲は中国では国家機密として扱われている」と説明している。
検閲件数の公表は、中国政府の検閲に応じず、中国大陸から事業を撤退したグーグルの反撃とアナリストは見ている。インターネット上の活発な発言で知られる批評家、北風氏は、「ほかの国が公開できる情報が、中国では機密になったというメッセージをグーグルは示したいのではないか。中国政府はインターネット情報に対する検閲を正当化するために、これまで『ほかの国でも行われている』と繰り返してきた。しかし、ほかの国では、いずれも公開できる規則に従って検閲が行われている」と指摘する。
中国でのインターネットの事情に詳しい重慶市在住の周曙光氏は「検閲件数より、ネット情報を削除する際のガイドラインが知りたい。検閲が常態化した今、その基準、そして基準の制定機関と検閲を要求した機関についての情報を把握したい」と検閲件数のみの公開は不十分であるという見解を示した。
また、「公開された数字の明細は開示されておらず、透明性とはほど遠い」との批判の声もある。IT紙シーネットジャパンは「個人情報の提供要請に同社が応じた回数と拒否した回数の内訳、またコンテンツ削除要請に応じた数の詳細を公表していない」と非難した。
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