【大紀元日本12月10日】12月に入ってから、中国の北部から中部地区にかけて、北京を含む十数の省・市で重度の霧が多発。航空便の遅延や欠航が相次ぎ、一部の高速道路も一時閉鎖となり、首都北京で深刻化する大気汚染が浮き彫りにされた。北京市五環外に居住する中国政法大学法学院の何兵・副院長がこのほど中国版ツイッター「微博」で自宅の空気清浄器を洗浄した水の写真を公開した。墨汁のように真っ黒だった。
公開写真は、取り付けて間もないという空気洗浄器のフィルターを洗った後の水だった。同氏は「微博」に次のように書き込んでいる。「前回の洗浄からわずか10日間しか経っていないのに、水は墨汁同然だ」「この器械がなかったら、真っ黒な物が全て私の肺に吸い込まれたのではないか」「北京に住むということは、まさに命がけだ」
この情報は1万回以上転送され、2千件以上のコメントが寄せられた。
ウェブユーザーからは、「水の汚れは、浄水器を通してまだ何とか飲めるようになる。空気の汚れは、毎日酸素ポンペを背負って生活するわけには行かない」という内容のコメントが多数発信され、中には北京を離れると語る人もいた。
北京市衛生局の毛羽・副局長の先月の発言によると、、2000年から2009年までに、北京市の肺がん発病率は56.35%増加し、ガン患者5人のうち1人は肺がんだという。中国医学科学院の腫瘤医院の杜さんは、肺がんと大気汚染との直接的な関連を指摘した。
一方、中国政府の対応の鈍さに、市民の不安はますます高まっている。
重度の霧がかかった4日、航空便の遅延や欠航が相次ぎ、一部の高速道路も閉鎖された。この日、駐北京の米国大使館が公表した大気汚染の観測データは、直径2.5μm以下の超微粒子PM2.5の含有量が522と記録。最高設定値の500を超え「危険」水準に達した。一方、北京環境保護局が公表した同日の観測データでは「軽度」の汚染という分類だった。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。